[其ノ一 株テクニカル編]NISAスタートで株式分割銘柄が増える!
「NISA」への準備を始めているのは金融機関や投資家だけではありません。企業側も?対応〞する可能性が!


株主還元策に積極的な中長期保有向けの銘柄がより注目されそう

来年1月からスタートするNISA(少額投資非課税制度)の注目度が高まっています。本誌でも数カ月前からさまざまな特集を組んでいますが、あらためて、NISAがどんな仕組みとなっているかを確認しておきましょう。

NISAを利用すると、年間100万円までの投資に関する配当や売却益が、買ってから5年間は非課税となります。株式や公募型の株式投信などのリスク資産が対象なので(国債や社債などは不可)、幅広い投資家に恩恵がありそうです。

ただし、NISAの非課税枠を利用して一度購入した運用資産を売却しても、非課税枠は回復しません。

また、NISA口座で保有する株式は信用取引の担保に利用できないため、デイトレーダーよりも中長期スタンスの投資家にメリットが大きい制度といえます。

では、企業側はどうなのでしょうか。

NISAは年間100万円までしか投資対象とならないため、最低投資金額が100万円以上の企業は最低投資金額を引き下げることを目的に株式分割を実施するケースが増えそうです。株式分割をしても、企業価値自体に変化はありません。ただ、流動性が向上するほか、最低投資金額の引き下げによって投資家層の広がりも見込まれることから、株価にポジティブなインパクトが出るパターンが目立ちます。

そこで今月は、NISA導入に向けて、株式分割が期待される銘柄に注目してみましょう。

2013年7月末現在で、最低投資金額が100万円を超える株は約110銘柄、あります。その中でも、株主優待を実施するなど、株主還元策に積極的な企業が、より注目されることになりそうです。

たとえばオリエンタルランドは、中長期の投資家に人気が高いことで有名ですが、株価の上昇により現在の最低投資金額は150万円以上です。

下には、最低投資金額が100万円超で、株主優待を実施している東証1部の優良銘柄と、株式分割を実施した場合にインパクトが大きそうな新興市場の中小型株を挙げています。これらの銘柄は、NISAがスタートする来年1月に向けて買いが増えそうです。

現在の投資金額100万円超の約110銘柄から厳選!

優待付きの東証1部ベスト5

東洋水産(東1・2875)
現在株価(売買単位):3035円(1000株)
最低投資金額    :303万5000円
予想PBR     :1.69倍

キッコーマン(東1・2801)
現在株価(売買単位):1730円(1000株)
最低投資金額    :173万円
予想PBR     :1.95倍

キリンホールディングス(東1・2503)
現在株価(売買単位):1461円(1000株)
最低投資金額    :146万1000円
予想PBR     :2.46倍

オリエンタルランド(東1・4661)
現在株価(売買単位):1万6150円(100株)
最低投資金額    :161万5000円
予想PBR     :0.74倍

しまむら(東1・8227)
現在株価(売買単位):1万1270円(100株)
最低投資金額    :112万7000円
予想PBR     :1.33倍

特に分割期待の新興市場ベスト5

ナカニシ(JQ・7716)
現在株価(売買単位):1万3580円(100株)
最低投資金額    :135万8000円
予想PBR     :0.88倍

リプロセル(JQ・4978)
現在株価(売買単位):9750円(100株)
最低投資金額    :97万5000円
予想PBR     :――

ニューフレアテクノロジー(JQ・6256)
現在株価(売買単位):115万円(1株)
最低投資金額    :115万円
予想PBR     :0.86倍

アイ・アールジャパン(JQ・6051)
現在株価(売買単位):1万600円(100株)
最低投資金額    :106万円
予想PBR     :0.84倍

アンドール(JQ・4640)
現在株価(売買単位):803円(1000株)
最低投資金額    :80万3000円
予想PBR     :0.37倍

※株価は2013年8月8日現在。PBR=株価純資産倍率、JQ=ジャスダック。

【人気急上昇中!】
小川佳紀(YOSHINORI OGAWA)
フィスコ 株式アナリスト

岡三証券を経て現職。相場概況から注目株まで、日本株全般から本誌に合ったネタを拾ってくれる貴重な存在。



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。