[其ノ一 株ランキング編]J-REIT投資の意外な実態と人気銘柄
安倍政権の国策・デフレ脱却には不動産価格上昇が不可欠。これまで一貫してJ-REITを売ってきた個人がそれでも買っている銘柄とは?


値上がり益を狙うならオフィス・総合系、安定利回りは住宅系

J-REIT(不動産投信)では初の株主優待付きで話題になった星野リゾート・リート投資法人が7月に上場。公募価格51万円に対し初値57万円と12%近くも上昇する人気ぶりでした。そこで今回は、J-REIT投資の意外な実態を紹介します。

アベノミクス相場に先駆けて昨年9月から上昇し始めた東証REIT指数ですが、意外なのは個人投資家がずっと売り越していること。法人の買いで急上昇した3月のみならず、5〜6月の急落局面でも売り越しでした。個人のJ-REIT投資の基本は分配金狙い。価格の上昇で利回りが低下すると利益を確定する人が急増するのでしょう。

J-REITの売買代金上位には、賃料や物件価格が上向いたオフィス系、ネット通販の成長期待がある物流施設系がランクイン。一方、個人向け住宅特化型の人気は低く、13位に野村不動産レジデンシャルが入っているだけです。

売買代金上位には、価格が保有不動産の何倍まで買われているかを示した「NAV(Net AssetValue)倍率」が高いものが多いのも特徴。NAV倍率の過去の平均値は1・08倍ですが、それより高いという事は保有不動産に対する値上がり期待が大きいと考えられます。

そのため、値上がり益狙いなら、高NAV倍率で投資家に人気のオフィス系や総合系が狙い目。反対に割安さや利回りを重視するなら、低NAV倍率の住宅系に注目です。

J-REITは日銀が買い支えていますが、1500億円近い購入枠はほぼ使いきっています。それでも堅調なのは、地銀や外国人投資家が積極的に買っているから。地価上昇が続きそうな今は、J-REIT投資のチャンスといえそうです。



J-REIT売買代金ランキングBEST15

1位 日本ビルファンド(8951)
オフィスビル特化型
予想分配金利回り:2.74%
NAV倍率:1.72倍
決算月:6月、12月
約定代金:179億円

2位 ジャパンリアルエステイト(8952)
オフィスビル特化型
予想分配金利回り:2.70%
NAV倍率:1.61倍
決算月:3月、9月
約定代金:153億円

3位 野村不動産オフィスファンド(8959)
オフィスビル特化型
予想分配金利回り:4.46%
NAV倍率:1.15倍
決算月:4月、10月
約定代金:56億円

4位 日本プロロジスリート(3283)
物流施設特化型
予想分配金利回り:4.14%
NAV倍率:――
決算月:5月、11月
約定代金:47億円

5位 アクティビア・プロパティーズ(3279)
複合型
予想分配金利回り:3.93%
NAV倍率:1.60倍
決算月:5月、11月
約定代金:37億円

6位 森トラスト総合リート(8961)
総合型
予想分配金利回り:4.00%
NAV倍率:1.75倍
決算月:3月、9月
約定代金:29億円

7位 グローバル・ワン不動産(8958)
オフィスビル特化型
予想分配金利回り:4.32%
NAV倍率:0.68倍
決算月:3月、9月
約定代金:27億円

8位 ユナイテッド・アーバン(8960)
総合型
予想分配金利回り:4.22%
NAV倍率:1.59倍
決算月:5月、11月
約定代金:24億円

9位 日本リテールファンド(8953)
商業施設特化型
予想分配金利回り:3.78%
NAV倍率:1.40倍
決算月:2月、8月
約定代金:24億円

10位 森ヒルズリート(3234)
総合型
予想分配金利回り:3.06%
NAV倍率:1.82倍
決算月:1月、7月
約定代金:23億円

11位 GLP(3281)
物流施設特化型
予想分配金利回り:4.54%
NAV倍率:1.56倍
決算月:2月、8月
約定代金:23億円

12位 ケネディクス不動産(8972)
総合型
予想分配金利回り:4.38%
NAV倍率:0.95倍
決算月:4月、10月
約定代金:22億円

13位 野村不動産レジデンシャル(3240)
住居特化型
予想分配金利回り:4.80%
NAV倍率:1.25倍
決算月:5月、11月
約定代金:22億円

14位 東急リアル・エステート(8957)
複合型
予想分配金利回り:4.14%
NAV倍率:1.00倍
決算月:1月、7月
約定代金:22億円

15位 MIDリート(3227)
総合型
予想分配金利回り:5.56%
NAV倍率:0.80倍
決算月:6月、12月
約定代金:21億円

※松井証券における2013年4月1日〜7月12日の約定代金ランキング。データ:松井証券

【人気急上昇中!】
窪田朋一郎(TOMOICHIRO KUBOTA)
松井証券 シニアマーケットアナリスト

2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の動向にも詳しい。



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。