投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の9月2日〜9月6日の動きを振り返りつつ、9月9日〜9月13日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は上昇。週初からリバウンド基調をみせた日経平均は、5日には一時14100円台を回復する局面をみせた。1日に発表された8月の中国製造業PMIが予想を上回り、中国景気の改善基調が続いているとの見方。財務省が2日発表した2013年4-6月期の法人企業統計では、設備投資額(ソフトウエアを含む)は全産業で前年比0.02%と3四半期ぶりにプラスに転じたことも買い手掛かりとなった。

 その後も、米国では予想を上回る経済指標の発表が相次ぐなか、週末に予定されている8月雇用統計が強いものになるとの期待。さらに、シリアへの軍事介入が先送りされる格好となったことで、リスクは一先ず低下する格好となった。物色については2020年夏季五輪開催地決定まで1週間に迫るなか、不動産、建設などの関連銘柄に海外勢とみられる資金が流入したことも、先高期待が強まる一因に。

 ただ、週末には円相場が1ドル100円台に乗せるなかで一段高が期待されたが、投信設定などの需給要因が通過したほか、これまで期待されていた五輪の東京招致への期待が後退するなか、不動産などの利益確定の流れが強まる格好に。次第に、米雇用統計の結果を見極めたいとの様子見ムードが強まるなか、日経平均はじりじりと下げ幅を広げる格好となった。

 週末の下げはマイナス要因が重なった格好である。指数へのインパクトの大きさでは、NTTドコモ<9437>の「iPhone」販売報道であろう。これがソフトバンク<9984>の急落につながった影響が相当大きいとみられる。

 加えて2020年夏季五輪開催地に関する報道。東京五輪招致委員会がブエノスアイレスで行った記者会見で福島第一原発の汚染水問題に海外メディアの質問が集中。その状況下のなかで、漏れ出した汚染水が地下水にまで到達したおそれがあるとの報道。五輪開催地決定にタイミングを合わせるかのような、韓国による日本の水産物の一部輸入禁止など。
 
 また、今週末の先物・オプションSQを控え、日経平均の定期入替えの発表が控えていることも、手掛けづらくさせた。任天堂<7974>、日東電工<6988>辺りが組み入れられると、他の銘柄を売って資金を手当てするとの見方であり、日経平均自体の上値の重しにも。

 もっとも、本稿執筆段階ではまだ明らかになっていないが、週明けには米雇用統計を受けた米国の反応のほか、五輪候補地の結果が判明することになり、仕切り直しの相場展開が期待される。雇用統計については強い内容になるとの思惑が広がっている。

 17、18日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小に踏み切るとの見方は織り込まれてきており、為替の円安基調は継続するとみておきたい。また、シリアへの軍事介入についても、上院は規模縮小で可決だが、下院では反対が多い。ロシアで行われたG20首脳会議でもロシアなど参加国の間の対立が鮮明化しており、しばらくは小康状態といったところか。

 2020年夏季五輪開催地については、東京招致となれば、改めて五輪関連への物色が再燃。逃したとしても、“縁がなかった”として切り替えたいところ。関連銘柄にはショートポジションなども積み上がる局面もみられそうだが、過去の経緯から想定された動きであり、冷静に対応したいところ。一方、今後は成長戦略第2弾に向けた動きが進むなか、設備投資減税、補正予算審議、カジノ構想、法人減税などを手掛かりに押し目買いの流れが強まる可能性がある。