投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、9月9日〜9月13日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、日本の4-6月期の国内総生産(GDP)改定値、米国議会でのシリア軍事介入への承認、中国の景況感(小売売上高、鉱工業生産)、などを見極める展開となる。オバマ米政権によるシリアへの軍事介入が実施された場合、化学兵器関連施設に対する限定的、短期的な攻撃で終わった場合は相場への影響は限定的だが、イスラエルやイランを巻き込んだ長期的、拡散的な紛争となった場合はリスク回避の株売り、円買い圧力が強まることになる。

【日本の4-6月期国内総生産(GDP)改定値】(9日)
 日本の4-6月期国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+2.6%から前期比年率+3.9%へ上方修正されると予想されている。予想通り上方修正された場合、アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)による景気回復が裏づけられることで、消費増税が予定通りに実施される可能性が高まることで、安倍トレード(日本株買い・円売り)に拍車がかかる可能性が高まる。

【シリア軍事介入】(9日)
 オバマ米大統領は、「戦争権限法」に基づき、シリアへの軍事介入の承認を米国議会に要請した。米国共和党は、連邦政府債務上限引き上げや歳出削減との兼ね合いで、承認する可能性が高まっているものの、否決された場合のリスクシナリオにも要警戒となる。

 イラン政府は、アメリカがシリアへ軍事介入した場合、報復攻撃を行うことを警告しており、紛争が長期化、泥沼化する可能性にも要注意か。

【次期米国連邦準備理事会(FRB)議長人事】
 バーナンキFRB議長は2014年1月末の任期満了で退任を示唆していることで、次期FRB議長候補として、ハト派のイエレンFRB副議長か、タカ派のサマーズ元米財務長官か、オバマ米大統領の決断を待つ展開となっている。ハト派のイエレンFRB副議長ならば、バーナンキFRB議長の量的緩和の継続が予想されることで、出口戦略への道筋を見極める展開となる。タカ派のサマーズ元米財務長官ならば、量的緩和策へ批判的なことから、出口戦略の前倒しが予想される。

 9月9日-13日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)4-6月期国内総生産改定値− 9日(月)午前8時50分発表
・予想は、前期比年率+3.9%
 参考となる国内総生産(GDP)速報値では円安による輸出の伸びや個人消費がけん引したが、成長率は予想を下回った。個人消費、政府支出は増加したが、設備投資は減少している。ただし、改定値では設備投資の増加が想定されており、上方修正される見込み。コンセンサスは妥当か。

○(日)7月経常収支− 9日(月)午前8時50分発表
・予想は、+5077億円
 参考となる6月の経常収支は+3363億円。貿易赤字の増加によって6月の経常黒字額は前年同月比-20.3%だった。貿易収支の急速な改善は見込めないが、所得収支は一定規模の黒字を計上しており、市場予想は妥当な水準か。

○(米)8月小売売上高− 13日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、前月比+0.4%
 参考指標となる7月実績では、自動車、ガソリンなどを除くコア売上高は+0.5%と堅調な伸びを記録した。全体の数字は+0.2%だったが、原油価格の下げ止まりでガソリンスタンドの売上にはプラス材料。景気回復が穏やかに進行していることを考慮すると、市場予想は妥当な水準か。

○(米)9月ミシガン大学消費者信頼感指数− 13日(金)日本時間午後10時55分発表
・予想は、82.0
 8月確報値は82.1←速報値80.0から上方修正された。NYダウ平均はやや不安定な動きを見せていること、ガソリン価格は上昇傾向にあることはマイナス要因。ただし、4-6月期国内総生産(GDP)は前期比年率+2.5%に上方修正されており、8月と大差ない結果となる可能性がある。

 主な発表予定は、11日(水):(日)8月国内企業物価指数、(米)7月卸売在庫、13日(金):(米)8月生産者物価指数

【予想レンジ】
・ドル・円97円00銭〜102円00銭