主演映画『ハーメルン』の舞台挨拶に登壇した西島秀俊

写真拡大

福島県会津を舞台にした西島秀俊の主演映画『ハーメルン』の初日舞台挨拶が、9月7日に渋谷ユーロスペースで開催。西島秀俊、倍賞千恵子、坂本長利、坪川拓史監督が登壇した。西島は坪川監督が構想から7年も費やした本作の現場について「僕にとっては、刺激的な体験でした」と手応えを口にした。

【写真を見る】全身黒でコーディネートした西島秀俊

メガホンをとったのは、『美式天然』(05)で、第23回トリノ国際映画祭にて史上初のグランプリ&最優秀観客賞のW受賞を果たした坪川拓史監督。西島は、過去の坪川監督作について「熱意と狂気を感じました」と感想を述べた。「僕は狂気を持っている方が好きなので、是非、監督の作品を体験したいと思いました。今回も(撮影だけで)5年、いや(構想から)7年もかかってる。紅葉しなかったら1年待つとかが当たり前のように行われた現場でした」。

倍賞も坪川監督について「諦めのなさ、辛抱強さ、粘り強さがすごい」と絶賛し、演じた西島扮する野田の恩師の娘役について「ここのところおばあちゃん役ばかりだったけど、この作品で久しぶりに娘の役を演じられました」と笑顔で語った。坪川監督も「5年間、何度も延期、中断したけど、黙って待ってくださった出演者、スタッフ、そして福島県の応援団の方々が尽力してくださったおかげで、ここまで来ることができました」と感無量の表情を浮かべた。

西島は、初共演となった倍賞について「倍賞さんや坂本さん、尊敬する大先輩の役者さんが撮影現場を作ってくださった。(演じた)野田はそこに入っていく役で、僕もひっぱってもらいました」と先輩を立てると、倍賞は「初めてお会いした時から、野田さんでした」と、西島の成りきりぶりを称えた。

『ハーメルン』は、奥会津の廃校でひとり静かに暮らす年老いた元校長先生(坂本長利)と、過疎が進む村で暮らす人々の記憶を優しい目線で描いた人間ドラマ。西島はかつてその学校の卒業生で、博物館職員の野田役に扮する。撮影に5年をかけ、丹念に紡がれた人間ドラマに仕上がった。【取材・文/山崎伸子】