『キャプテンハーロック』で声の共演をした小栗旬と三浦春馬

写真拡大

無敵の宇宙船アルカディア号に乗り、悠々と宇宙の海を旅する海賊が、圧倒的な映像力を持ってして、スクリーンに降臨。それが、2D・3Dでリブートされた『キャプテンハーロック』(9月7日公開)、『APPLE SEED アップルシード』(04)の荒牧伸志監督ら日本のトップクリエイターたちが、総製作費3000万ドルをかけて放つ超大作だ。本作で声優を務めた、ハーロック役の小栗旬と、新人クルーのヤマ役として声優に初挑戦した三浦春馬にインタビュー。アフレコの舞台裏から、今の俳優としてのスタンスまで語ってもらった。

【写真を見る】キレのあるハーロックのアクションシーン!

今回、オリジナル版から、30年を経てリブートされた『キャプテンハーロック』。時を経ても、国境を超えても人気がある理由を小栗はどう見ているのか。「何か大きなものにチャレンジしていく力に対する憧れみたいなものかな。ハーロックって、その象徴であるキャラクターだから。彼は、きっとひとりでも戦いをやめなかっただろうし、多くを語らないというキャラクターも、国を超えて、男の子が憧れる部分だし。僕でさえ、ハーロック世代ではないけど、時代が流れていくなかで、改めてハーロックというキャラクターに出会えたこと自体がとても良いことなんじゃないかなと」。

三浦は、ハーロックの魅力をこう分析。「子供から大人まで、支持されているのは、銃や船を使って戦うだけじゃなく、自分の宿命とも戦い、もがくところまで、とても丁寧に表現されているからだと思います。自分を縛る宿命との戦いを繊細に描き出すテクニックは、日本というよりもアジア人って、すごく上手く表現できるんじゃないかな。戦闘シーンも素晴らしいけど、自分の揺れる気持ちを丁寧に描いているところが、世界に強く響いていると考えています」。

これまでも共演経験がある小栗と三浦。小栗は、三浦たちのゼネレーションについての思いをこう明かす。「ざっくりと見ると、僕たちは狭間の世代なんです。僕たちよりも上の人たちは、芝居をすることを良しとされ、演じることを求められてきた世代。でも、ひとつ下の世代は、勝てないなと思うくらい、感覚だけで芝居をする人たちの世代。僕たちは、その両方とも見てきた世代なのかなって。もちろん、同世代のなかにも感覚的に演じる人もいれば、上の世代のように、演技をすることを意識してやっている人たちもいる。春馬くんは、ひとつ下の世代だけど、どちらかといえば、彼は作りこむタイプだと思っています。今はジャンルが多種多様なので、求められる芝居も随分違う。それに順応していくのはすごく大変ですが、それをしなければいけないのも、僕らの仕事なので」。

小栗は近年、演技について、あることを悟ったと言う。「最近は無理をしてわかったふりをしてやろうとするよりも、できないことはできないと言った方が良いなあと思ったりもしています。肉体的にできないとはあまり言いたくないけど、精神論や演じる芝居については、やっぱり上手い下手って絶対にあると思うから。これは、人から聞いた話ですが、麻雀って“上手い下手”と “強い弱い”があり、上手いから強いわけじゃないし、下手だから弱いわけでもないと。めちゃくちゃ下手でも結果を残している人がいれば、すごく上手いけど、なかなか積もらないという人もいる。そうやって考えれば俳優もそうで、下手だけど負けなければ良いってところを目指そうかなと最近思い始めました。勝ち負けが何かってこともよくわからないけど、何かしら圧倒的なエネルギーとか存在感なのかもしれない。だったら不細工でも、自分は存在に重きをおいていこうかなと」。

三浦は、「いつも旬さんの作品は見ています。ふと気になっちゃうんですね。いつも良いお芝居をしているなあと思います。それに尽きます」と、小栗に対するリスペクトの念を訴える。「旬さんとリアルに芝居をしている時に感じる緊張感や、緊迫感が、意識しなくても、ちゃんと声に出ていたんじゃないかなと思います。特に今回のキャラクターは、ハーロックの暗殺を命令され、アルカディア号に乗り込む特殊工作員役ということで、その緊張感が、キャラクター設定にも当てはまった気がします」。

俳優として、その世代をリードしてきた小栗旬と三浦春馬。彼らの声と共に人間性も吹き込まれ、最高にクールなハーロックと、熱いヤマというキャラクターが完成した。日本が世界に向けて発信する、キャプテンハーロックのアルカディア号は、いよいよ今週末に出航する!【取材・文/山崎伸子】