お金の先読み・裏読み・耳寄り情報ゲット!ビジュアル重視で追いかけた、今月のスクープ情報満載。経済・政治・税金…etc.旬のニュースを切り取ります!


大手スーパーで食品が売り場に置かれる期間は、製造日から賞味期限までの3分の1しかない。たとえば製造後60日が賞味期限なら、21日目にして棚から撤去され、返品されたり、時にはディスカウント専門店に流されたりする。俗に「3分の1ルール」と呼ばれる商慣習で、全国的に当たり前になっているが、廃棄される食品を増やす元凶でもあり、政府や業界団体が見直し作業を進めている。

このルールのおかげで日本の消費者は新鮮な食品を買えるが、同時に売れ残りの山ができるのは避けられず、大量廃棄にもつながる。この非効率は巡り巡って消費者が負担することになるので、結局は誰の利益になっているかわからないのが現状だ。

そこで昨年より経済産業省と農林水産省が「3分の1ルール」の見直し作業を始めた。今のところ、売り場での陳列期間を「消費期限までの2分の1」か「消費期限までの3分の2」に延長する案が有力だが、今夏は一部業者が陳列期間を「2分の1」に延長し、売れ残り具合などのデータを集めているところだ。陳列期間の延長が定着すれば、流通大手だけでなく、食品卸売業者にとって利益の底上げ要因になるだろう。

せっかくのいい話に水を差すようで恐縮だが、この議論には消費者の存在感が薄い。消費者庁の資料には、食品ロスの要因として「消費者の過度な鮮度志向」が挙げられているが、これでは問題が消費者の意識にすり替えられてしまっている。

しかし、消費期限偽装など信頼を損なう業者の行為が、消費者の不信感を募らせてきた面を否定できるだろうか。食べられるものを捨てることへの反省になるか、利益をひねり出すための単なるロス削減に終わるか?



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。