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アベノミクス政策により、景気の回復が鮮明になってきた。雇用関係では、失業率、有効求人倍率が改善を続け、鉱工業生産指数など企業の生産状況を示す経済指標も持ち直しつつある。何よりも、日銀の「企業短期経済観測調査(短観)」に企業の景気見通しの改善が顕著だ。

景気回復に向けて歩み始めれば、注目しなければならないのは、消費者物価指数の行方だ。「2年程度で消費者物価指数を2%程度に上昇させる」ことが、安倍政権と日銀の共通の政策目標となっている。

つまり、消費者物価指数の行方が、今後の日銀の金融政策と?アベノミクス〞政策の行方を左右することになる。また、それ次第で日銀の「異次元緩和」政策の変更も見えてくるのだ。

消費者物価指数の行方を探るうえで非常に有効な指標がある。それは「BEI(=Break-Even Inflationrate → ブレーク・イーブン・インフレ率)」。

BEIは消費者物価指数の行方を示す「期待インフレ率」の指標だ。BEIは、普通国債(利付国債)と物価連動国債(物価に連動して元本が増減する国債)の流通利回りの差(「利付国債の利回り−物価連動国債の利回り」)をいう。この値がプラスなら「インフレ」、マイナスなら「デフレ」と市場が予想(推測)していることを意味する。

米国でFRB(連邦準備制度理事会)が金融政策の参考にBEIを注視していることでも、その有用性は明らかだろう。

日本のBEIは日銀の異次元緩和により急上昇し、一時は1・84%となった。これは、市場が消費者物価指数(インフレ率)が1・84%まで上がると予想した、ということだ。その後BEIは再び低下し、落ち着いた動きとなっている。

問題は日本では物価連動債の発行量が少なく、BEIの信頼性に問題があること。これに対応するため、財務省は今年度に合計で6000億円の物価連動債を発行することを決めた。10月8日には1回目の物価連動債の入札が行なわれることが決まっている。

物価連動債の発行量が増加して厚みを増せば、BEIの信頼性が高まってくることに。となれば、インフレ率の予測にBEIは有効な手段となるはずだ。これからの投資にはインフレ率の行方が非常に重要な意味を持つ。BEIを投資に役立ててみては?



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。