米系投資家はお膝元の北米売上の高い会社を好む
外国人投資家も意識している格言「国策に売りなし」。そこで安倍政権の成長戦略の中でも?外国人注目の政策こそ有望〞という、逆転の発想で銘柄厳選!


円安・ドル高トレンドが続く以上、業績面で最も有望なのは、通貨が上昇している米国での販売が絶好調な企業。外国人投資家も、お膝元の米国で売れまくっている会社のほうが親近感を持ちやすい。

「景気のいい国と悪い国が、はっきり分かれているのが今の世界経済。米国と日本の回復は鮮明ですが、ユーロと中国は景気低迷が続いています。そういう意味では、元気のいい国で稼ぎまくっている企業が?いい会社〞の代表例。自動車産業を中心に景気底打ちが明らかな米国での売上高比率が高い企業が最も有望です」(石黒さん)

北米での売上高比率の高い会社としては、売り上げの49・2%が北米のホンダや43%台のブリヂストン、富士重工業など自動車関連株が軒並み上位に。ホンダ向け自動車シートメーカーのテイ・エス テックやシートベルトのタカタなどは海外売上高比率そのものが80%を超えている。思う存分、円安効果を享受して、業績、株価ともに申し分のない銘柄だ。

大穴株としては住宅用シャッターの三和ホールディグスやゲームの任天堂、事務機器のリコーなど。北米売上高比率が高く、業績V字回復が見込めそうだ。

対する小川さんが注目するのは、アベノミクスの重要政策に関連する中小型株。経済特区構想では、iPS細胞など最先端医療開発特区の推進に期待大だ。

「米国のNHI(国立衛生研究所)のように国が製薬メーカーの研究者を一堂に集めて新薬を開発する組織の立ち上げが日本でも検討されています。復興庁が推進中の福島医療特区構想が実現すれば、個人投資家に人気のバイオ株などにも外国人投資家の長期資金が流入するはず」(小川さん)

法人税減税に関しては、国内で設備投資を積極的に行なう企業の課税を優先的に引き下げる方針が、すでに固まりつつある。「設備投資が活発になれば当然、工作機械やFA(ファクトリー・オートメーション)関連株、工場設備などを企業に貸し出すリース会社の関連銘柄に注目が集まるでしょう」(小川さん)

前出の石黒さんも熱く注目するのは、解雇規制の緩和にまつわる銘柄群だ。

「日本企業がダメになった原因のひとつは、仕事をしない人が正社員というだけで高い給料をもらっていること。外国人投資家も日本企業の労働生産性の低さを問題視してきました。解雇規制が実際に緩和された場合、解雇された人向けの社会復帰プログラムや職業訓練校のニーズが高まっていくでしょう。人材派遣会社のリブセンスやテンプホールディングスの株は外国人にとっても魅力大です」(石黒さん)

もちろん、実際の株式投資にあたっては、国策銘柄に対する?攻め〞だけでなく、?守り〞も重要だ。

売り上げ絶好調!北米売上高比率の高い20銘柄

ホンダ(東1・7267)
3685円(100株)
北米での売上高比率:49.2%
想定為替レート(ドル/円):95円
配当利回り:2.17%
米国で活躍する日本企業といえばこの会社。米国GMと提携してエコカー開発を急ぎ、北米市場でのシェア確保を狙っている。

テイ・エステック(東1・7313)
3510円(100株)
北米での売上高比率:47.9%
想定為替レート(ドル/円):90円
配当利回り:1.13%
北米売上高比率の高いホンダの持分法適用会社。主力の自動車用シート生産が北米向けを中心に拡大している。欧州も生産能力増強へ。

ブリヂストン(東1・5108)
3365円(100株)
北米での売上高比率:43.8%
想定為替レート(ドル/円):89円
配当利回り:1.60%
世界最大のタイヤメーカー。北米では自動車販売が好調なだけでなく、住宅向け建材も伸びており、連続増益シナリオに死角がない。