聞く方は正直シンドイ! 愚痴を言いたくなる人のメカニズムと対処法

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相談者:30代男性】
妻の愚痴がつらいです。自分は愚痴が大キライで悪いことだと信じてきたので、毎日のように仕事の愚痴を聞かされうんざりです。仕事と家事を両立しているのは大変だと思い、そんなに嫌なら辞めてもいいよといったのですが、辞める気はないようです。

妻の負担が減るようにと、なるべく家事も手伝うようにしていますが、効果なし。解決のヒントになればと客観的なアドバイスをすると、ケンカになってしまいます。どう接すればいいのか、困り果てています。

●A.女にとって愚痴は「デトックス」の一種です。

こんにちは。カルチャー専門家・みわあやのです。

相談者さん、お仕事でお疲れのところに、奥様の愚痴を聞かなければならないなんて大変ですね。お察しします。奥様のことをちゃんと考えて差し上げられるご主人。なんて優しいかたなんでしょう。奥様のためを思って、努力もされてきたんですよね。本当に立派ですね。

と、いうようにですね(笑)。

いたわりの言葉とか、頑張っている自分を認めてくれる言葉って、うれしいと思うんですよ。特に夫婦間という親密な関係では、甘えたい気持ちがでてくるのも自然なこと。そこで、奥様の愚痴を、このように脳内変換してみてはいかがでしょうか。

「家事も仕事も一生懸命頑張っているわたしを褒めてね」
「わたしのことを心配して、優しくしてね」

「よしよし頑張っているね。偉いね。でも無理するなよ」という気持ちになりませんか? 既婚女性にとって、弱みをみせて甘えられる異性は、旦那さまだけなんです。ここはひとつ、「いい子いい子」してほしいんだなって解釈して、愚痴につきあってあげてほしいです。

今回は、「愚痴を言いたくなるメカニズム」を心理学からひも解いていきましょう。さらに、オマケとして、愚痴を言いたくないひとのために、「気持ちが楽になる禅のことば」をご用意いたしました。

●愚痴をこぼすときに働く心理「ストローク」とは?

「愚痴」という言葉はイメージが良くないですよね。他人に対して、自分の心の弱さをみせてしまったり、生産的な行動ではなかったりするので、マイナスばかりに思えてしまいます。でも実は、愚痴には3つのメリットがあったんです。

-(1)相手から「ストローク」を受けることで、欲求を満たせる
-(2)感情を打ち明けることで気持ちが楽になる「カタルシス(浄化)」が得られる
-(3)ひとに話すことで、自分の頭のなかが整理できる


人間は、いつも誰かに「自分の存在を認めてほしい」と思っている生き物。心の奥底で、「わたしのことを理解して」って望んでいるんです。

心理学では、そういった心の動きを「ストローク」といいます。これを軸として、その他の欲求も叶えるメリットがあるから、思わず愚痴ってしまうんですね。

でも、話している方はスッキリしても、聞いている方はつらいときもあるもの。どうしてかというと、話の焦点が「話しているひと自身」に向きっぱなしになっているからです。自分に関係のない話につきあうのって、苦痛ですもんね。

そんなとき、話をよく聞いていなかったり、相手に反論してしまったりするのはタブー。「ただ聞いてもらうことだけ」を望んで話しているのに、邪魔をしてしまったら、話し手はメリットを得られなくなってしまいます。

話し手は欲求を叶えられないばかりか、自信を失い傷ついてしまうことでしょう。

愚痴には、「わたしのことを理解してね。でも口は出さないでね」という、“暗黙のルール”があることを覚えておいたほうが良さそうですね。

●本当には、何も失っていないのに、一体、何を探しているの?

なるべくならば、愚痴なんかこぼしたくない。でも、モヤモヤしたものはどこに吐き出せばいいんだろう。

そんなとき思い出したいのが、『従来失せず、何ぞ追尋(ついじん)を用いん』という禅語。禅僧が修行をおこなって悟りを得るまでの道程を示した、「十牛図」のなかにある言葉です。

「最初から、何も失っていないのに、何を探し求めているのか」という意味ですね。

わたしたちは、自分が本来もっているものに気づかず、探し求めてしまいますよね。「幸せ」もそうですし、「愛」もそう。自分の外側ばかり探し歩いても、見つけるのは困難です。もし見つけたとしても、それは自分の外側にあるものですから、なくしたり、こわれたりしてしまうことも。

自分の内側をみてみると、あんなに必死になって探し求めていたものが、初めから失われることなく、「ここにあった」。

自分の心としっかり向き合うことができれば、愚痴なんか必要なくなるのかもしれませんね。

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ひとが生きていく上で、「良い」とか「悪い」の判断がつきにくいことはたくさんあります。「愚痴=悪」と決めつけないで、相手の話に耳を傾けるのも優しさですよね。

愚痴がキライなら、自分が言わなければいいだけのこと。パートナーの愚痴には、黙って耳を傾けてあげるのが得策だと思います。

(ライタープロフィール)
みわあやの(カルチャー専門家)/筋トレアドバイザー・フリーライター。エステサロン勤務を経て独立、エステティックサービス事業を開業。メイクアップセミナー講師を務めるほか、トレーニングインストラクター兼エステティシャンとしてスポーツクラブとの業務提携を行う。リタイア後の現在は、標高1000メートルの山中にてロハス的生活を実践しながら、フリーライターとして活動中。「肉体の美は精神と密接につながっている」という考えから、「生きづらさ」を解くカギは日本の精神文化にあるのでは! と、ジャパン・カルチャーの研究に明け暮れる日々。