子ども向け知育アプリが乱立の様相、事業者の思惑は?

写真拡大 (全3枚)

昨年あたりから今年にかけて、子育て世代におけるスマホ&タブレット端末の普及に合わせるように、急速に開発競争とサービス乱立の様相に入った感のある、ここ最近の子ども向けアプリ市場。とりわけ「育児記録」そして「知育」を標榜したものが多い。

本稿では「知育」に関連するアプリからいくつかサービスを紹介したい。

まずは、アニメーションの童話や童謡を楽しむことができる「えほんであそぼ! じゃじゃじゃじゃん」。定番の童話を、紙芝居風や学芸会風など、子どもを飽きさせない新しい演出で制作しており、アニメを観るように名作童話やオリジナル童話を楽しむことができる。

また、おなじみの童謡も、子どもが真似できる楽しい振り付きで、現代風にアレンジしているのが特徴。


今後はぬりえやパズルといった新しいカテゴリの追加や、この先1年間で50コンテンツ以上の提供を計画しており、知育アプリのプラットフォームを目指しているという。

「えほんであそぼ! じゃじゃじゃじゃん」
http://www.jajajajan.jp/


子ども向けアプリのプラットフォームとして先行しているのが、株式会社キッズスターが提供する絵本アプリ「こえほん」。こちらはすでに80万ダウンロードを超える人気アプリだが、「毎回アプリを探して、購入、ダウンロードするのが手間」、「割安とはいえ、購入しないと読めないアプリが多いので購入をためらう」といったニーズに応えるため、同アプリからスピンオフする形で、「絵本読み放題 森のえほん館」をオープンした。



「森のえほん館」は、「こえほん」で累計1,000万回読まれている200冊以上の絵本を厳選して、定額(月々167円[税込]〜)で読み放題になるというアプリ。

読みたい絵本の表紙をタップするだけですぐに読めるので、子どもでも簡単に操作できるほか、年齢や季節にあった絵本や目的別のガイドメニューも充実しており、絵本選びに困らないような工夫が施されている。

「絵本読み放題 森のえほん館」
http://www.kidsstar.tv/ja/app/森のえほん館


さらに低年齢の0・1・2歳をターゲットにしたのが、「まねっこパンダとあそぼう」シリーズでピアノやたいこ、オルガンなどで遊べる、セレンディピティプロジェクトのアプリ群。



子ども向けプロダクトに実績のあるクリエイターが参画しており、今後は知育アプリや音楽(楽器)のほか、絵本、ゲームまで幅広いラインナップを取り揃えて、さらに他言語での展開も視野に入れているという。

セレンディピティプロジェクト
http://secondtop.co.jp/project/


デジタルガジェットを子育てに活用することに、どちらかといえば嫌悪感を抱いていたり、懐疑的なご家庭も多いことだろう。こうした現状のなか、サービス事業者は子ども向けアプリにどのような思惑をもっているのだろうか?

前出「えほんであそぼ! じゃじゃじゃじゃん」の開発元、FORii(フォーリー)株式会社の代表・白田和稔氏は、大手インターネット企業、サイバーエージェントで、『プーペガール』『アメーバピグ』といった超人気サービスの開発にかかわったヒットメーカー。そんな同氏に、子ども向けアプリ開発に賭ける思いについて伺った。

「インターネットに生まれながらにして触れ、スマートフォン・タブレットをごく普通に使いこなしていくこれからの子どもたち。ネットとの関与はもはや避けては通れない環境下で、今必要なのはネットの倦厭や遮断ではなく、社会がネットにおける教育に正面きって取り組むことではないかと思うのです。社会で強く、優しく、温かく、大きく生きていくための人間形成を手助けする教育メディア・サービスを生み出していくことが、ネット事業者である我々のこれからの使命であると考えています」と語ってくれた。

デジタルネイティブの将来を憂うことなく、よりよい社会を実現していくための可能性を見出し、真摯に向き合うネット事業者の本気に期待したい。

深田洋介
学研で学年誌や幼児誌の編集者を経て、ネット業界へ。AllAboutで育児・教育ジャンルの立ち上げ、サイバーエージェントの新規事業コンテストでは子育て支援のネットサービスでグランプリ獲得。現在は独立して、子育て・教育業界×出版・ネット媒体における深い知識と経験・人脈を駆使して活動中。編著に『ファミコンの思い出』。