参院選は予想通りの自民圧勝となった。日経平均は事前からの“ねじれ解消”期待と世界経済の落ち着きから、1万5000円目前までスルスルと上げてきたが、8月上旬再び下落。厳しくなった投資家の銘柄選別眼にかなう銘柄を用意したぞ!


ノーリツ鋼機が急速な多角化を推進中だ。業務用の大型写真プリンターで世界首位だが、写真関連マーケットの縮小を踏まえ、医療やLED(発光ダイオード)照明などの分野を拡大し、成功を収めている。

この会社は2010年3月期に前期比40%減の280億円という大幅な売り上げダウンに見舞われ、最終利益から1株当たり600円近い大幅赤字に転落した経緯がある。しかし、今期売上高は550億円にほぼ倍増する見通しで、数年前の大幅赤字がウソのようだ。

V字回復の要因は、医療関連を中心とした積極的な他社買収にある。実際に、写真関連ビジネスは業界全体で市場が縮小する傾向にあり、他分野への新規参入戦略という同社の路線は正しいといえそうだ。

また、他社買収に積極的な企業は借金まみれになりがちだが、ノーリツ鋼機は有利子負債が利益剰余金の4割以下の水準にとどまっており、財務の安定性にも十分な配慮がうかがえる。

ただ、業績拡大に投資家の評価がまったく追いついていない。株価700円でもPBRはわずか0・5倍弱と、かなりの割安圏に放置されている。相場全体の下値切り上げが進んで、割安銘柄探しの流れが強まると、この銘柄が大幅高する可能性が出てくるだろう。



この記事は「WEBネットマネー2013年10月号」に掲載されたものです。