(C)2012年 映画「夏の終り」製作委員会

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先月末より、現在最も注目を浴びている女優のひとり、満島ひかり主演の映画『夏の終り」が公開される。本作は50年前に出版され、累計販売部数が100万部を超えるベストセラーとなった瀬戸内寂聴の同名小説が原作だ。

■ストーリー
主人公の知子は30代半ば、妻子ある年上の作家、慎吾と長年一緒に暮らしている。慎吾は自宅と知子の家をきっちり半々で通っているが、知子はその生活にそれなりに満足していた。しかしある日、かつて彼女が夫や子供を捨てて駆け落ちをした青年・涼太と再会した事で、彼女の心が揺らぎ始める。慎吾との穏やかな生活を続けながらも、知子は涼太とも関係を持ってしまう。

■原作は瀬戸内寂聴の自伝的小説…
本作は、瀬戸内寂聴さんが自身の体験を元に描き、当時そのセンセーショナルな内容が話題となった。かつては、1963年に『みれん』のタイトルで映画化され(知子役は池内淳子)、2005年には「瀬戸内寂聴 出家とは生きながら死ぬこと」(宮沢りえ主演)でドラマ化されたが、今回はテレビドラマ『Woman』でもその演技が絶賛される満島ひかりを主演に迎え、慎吾役には同じく『Woman』にも出演しているベテラン俳優、小林薫が、涼太役には、『シャニダ-ルの花』『ガッチャマン』と公開作が続く綾野剛がそれぞれ違った男の魅力を滲ませている。

■主人公知子役には、満島ひかりが難しい役に挑み、、、
8月14日に行われた完成披露試写会で、満島ひかりは「30代半ばという難しい年代をどう表現できるか」と現場ではもがいていた事を吐露。そして「複雑な女心がたくさん、繊細に映っている。男性には理解されにくいかもしれない。もんもんとしたものを崩したくてもできない。女性ならではの生きづらさが出ている」と語った。
知子は江戸型染め職人として生活をしている。そんな彼女が染物をしているシーンは、その所作といい表情といい凛としていて彼女の生き様を表すかのような印象的なシーンだ。

(実際、満島さんは相当練習をされたのだそう)。男性の経済力に頼らず自立して生きている知子が、二人の男性の間で揺れ葛藤する姿は、決して彼らに翻弄されているのではない。自らの”女の業”と向き合い苦しんでいるそんな彼女の姿は、きっと多くの女性(特に大人な女性の方々…)にどこか深いところでの共感をもたらすのではないだろうか。

■最後に
本作を手がけたのは、『鬼畜大宴会』でデビュー、その後、『アンテナ』(加瀬亮主演)、『ノン子36歳(家事手伝い)』(坂井真紀主演)と作品毎にその評価が高まる熊切和嘉監督。音楽は、かつてはソニック・ユースで活躍し、オリヴィエ・アサイヤス監督、青山真治監督らの作品も手がけるジム・オルークが担当し、繊細で優しく切なく、、心に残るメロディで本作を包んでいる。知子、慎吾、涼太、それぞれ3人の愛、やさしさ、ずるさ、、倫理や理性や道徳では片付けることの出来ない人間のどうしようもなく、でも何故か愛しく濃密な彼らの生き様を是非映画館でご覧頂きたい。
(mic)

『夏の終り』は8/31(土)より有楽町スバル座ほかにてロードショー
http://natsu-owari.com/