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お部屋を借りる際に不動産会社から説明を受ける「重要事項説明」。聞く側はどんな準備をしておけばいいの? そもそも「重要事項説明」って何なのか……「重要事項説明」の説明を受ける際に注意して聞いておいた方がよいポイントを“不動産・住生活”のプロに伺いました。

Q.明日、重要事項説明があるらしい、これって何? 注意したいことはある?

A.重要事項説明とは、「宅地建物取引業法」という法律で定められた行為です。契約直前に、物件の詳細な内容や契約条件について、書面と口頭で説明を受けます。借りる人が、物件に納得して契約をするための最終確認段階といえるでしょう。納得のいかない内容を提示されたら、その後に行われる契約をやめても費用はかかりません。説明するのは、宅地建物取引主任者という国家資格をもった人。この人が、主任者証という資格証を見せて行います。

もし、宅地建物取引主任者の資格証を提示せず説明したり、説明そのものがなくいきなり契約書に印鑑を押すように言われたりしたら、その不動産会社は、法律に違反していることになります。

重要事項説明では、主に「建物の状況や設備など物件について」と「費用と支払い方法などの取引条件について」の二つが説明されます。とくに次のような内容を抑えておきましょう。なお、貸主が不動産会社であれば、重要事項説明の義務はありません。貸主が誰かも確認しておきます。重要事項説明が行われない場合、契約前に「重要事項はどうして行われないのですか」と尋ねましょう。

(1)ついている設備、自分の補修負担

エアコンや駐輪場があるのか、など元々ある設備と状況を確認します。さらに、ついている設備が壊れたら借主の費用負担が発生するのかもチェック。たとえば、以前の居住者が置いていった温水洗浄便座があれば、補修費用は借主が負担する契約になっていることが多いものです。元々ついていたエアコンが古くなって壊れたら、借り主側に負担がないことがほとんどです。

(2)お金に関すること

家賃や共益費の金額といつどのような方法で支払うかを確認。また、更新時に更新手数料は必要なのか、その際、いくら必要かを確認します。家賃が安くても更新料が高ければ、数年間で比較すると、家賃がやや高いほうが総額は安く済むかもしれません。仲介手数料の金額、その他の費用負担もチェック。鍵の交換費用やハウスクリーニング費用が借主側の負担となっていることが少なくありません。これらは、借り主側で負担しなくて済むよう、交渉が可能です。

(3)退去時の清算方法

退去する際に、家賃に滞納がなく、室内を故意や過失で破損・汚損していなければ敷金はほとんど戻ってきます。しかし、契約時に「敷金は○ヵ月分償却」などとあれば、その分は戻りません。敷金の清算は退去時にもめることが多いので、どのような状況であればどのくらい戻るのか確認しておきます。重要事項説明の前に、国土交通省が提示している「原状回復を巡るトラブルとガイドライン」(※)に目を通しておきましょう

※「原状回復を巡るトラブルとガイドライン」:

(4)管理の委託先

入居後に不具合が起きたら誰に連絡すればよいのかをチェックします。重要事項説明を行っている不動産会社がそのまま連絡先になるとは限りません。重要事項説明の日を境にその不動産会社は業務を終え、全く関わらなくなる場合も少なくありません。「給湯器が壊れたのになかなか直してもらえない」ということがないよう、連絡先をチェックしておきます。

(5)その他の事項

物件に特筆すべき内容が示されることがあります。周囲に特別な建物があり、ニオイや煙などが漂ってくることがある、日照が期待できない場合がある、など。入居後に不快に思うことが含まれることがあるので、内容に納得しておきましょう。

「専門用語が多く難しいからよくわからない」。重要事項説明や契約書について、このような声が聞かれます。しかし、印鑑を押してしまったら、その内容を認めることになります。「知らなかった」「聞いていなかった」では済まされません。「嫌なら転居すればよい」で済ませず、契約前に重要事項説明や契約書のコピーをもらってじっくり目を通しておきたいものです。

高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『最高のマンションを手に入れる方法』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。