投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、9月2日〜9月6日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は、6日に発表される米国8月の雇用統計を見極め、日本時間8日に発表される2020年夏季オリンピック開催都市を見極める展開となる。日本時間8日に決定される2020年夏季オリンピックの開催地が、東京となるのではないかとの期待感から下げ渋る展開が予想される。

 オバマ米政権によるシリア空爆が断行されても、化学兵器関連施設に対する短期的、局地的な攻撃で終わった場合は相場への影響は限定的だが、イスラエルやイランを巻き込んだ長期的、拡散的な紛争となった場合はリスク回避の株売り、円買い圧力が強まることになる。

【日本銀行金融政策決定会合】(4-5日)
 日本銀行金融政策決定会合では、日本のコアインフレ率が6月は前年比+0.4%、7月は+0.7%と順調に上昇していることで、現状の金融政策の維持が予想されている。

【G-20首脳会議】(5-6日)
 アサド・シリア政権による化学兵器使用疑惑に関して、プーチン・ロシア大統領、習中国共産党総書記と、米英独仏の首脳間の見解が分裂しており、シリア空爆のタイミング次第では、会議の混迷が懸念される。

【米国8月雇用統計】(6日)
 米国8月の失業率の予想は、7.4%(7月7.4%)、非農業部門雇用者数の予想は、前月
比+18.0万人(7月+16.2万人)と見込まれている。

 予想通りか予想以上の改善となれば、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での資産購入プログラム縮小観測が高まることで、ドル買い要因、予想を下回った場合は、延期観測が高まることで、ドル売り要因となる。

【2020年夏季オリンピック開催都市】(8日)
 東京に決定された場合、アベノミクスの成長戦略第2弾に弾みがつくことで、安倍トレード(日本株買い・円売り)に拍車がかかる可能性が高まる。東京が落選した場合は、安倍トレード(日本株買い・円売り)ポジションの手仕舞いが予想される。

 テクニカル分析では、ドル・円相場も日経平均株価も「三角保ち合い」を形成中であり、放れに就くスタンスで臨むことになる。

 9月2日〜6日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)8月ISM製造業景況指数− 3日(火)日本時間午後11時発表
・予想は、54.0
 先行性のある同指標内訳の7月「新規受注DI」は58.3←6月51.9と拡大。既公表の8月の各地区連銀指数は、NYとフィラデルフィアが低下、カンザスシティは小幅改善となった。新規受注DIの大幅拡大を考慮すると、上振れ余地がある。

○(米)7月貿易収支− 4日(水)日本時間午後9時30分発表
・予想は、-387億ドル
 7月ISM製造業の内訳「輸出受注」DIは53.5←6月54.5、「輸入」DIは57.5←同56.0で、輸出低下・輸入上昇となったため、貿易赤字の拡大要因。7月の原油価格は上昇しており、赤字拡大要因。市場予想はおおむね妥当か。

○(米)8月ISM非製造業景況指数− 5日(木)日本時間午後11時発表
・予想は、55.0
 同指標の7月内訳で、先行性のある「新規受注」DIは57.7←6月50.8と大幅上昇となっている。また、「在庫」DIはやや低下、「受注残」DIは6月52.5から7月は46.5に低下した。新規受注の増加を考慮するとコンセンサスは妥当か。

○(米)8月雇用統計− 6日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、非農業部門雇用者数は、前月比+18.0万人、失業率は7.4%
 調査対象期間の8/12を含む週の新規失業保険申請件数は32.2万件で7月の36.0万件を下回っている。失業保険受給総数は若干減少。他の雇用関連指標の発表を待つ必要があるが、非農業部門雇用者数は、7月+16.2万人を上回る可能性がある。

 主な発表予定は、5日(水):(米)8月ADP雇用統計、6日(金):(日)7月景気動向指数。

【予想レンジ】
・ドル・円96円00銭から101円00銭