スーパーマン史上最も孤独で影がある!? 誕生のヒミツを描く映画『マン・オブ・スティール』【最新シネマ批評】

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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、スーパーマン誕生の秘密を描く『マン・オブ・スティール』です。女子的には「これって男向きの映画じゃないの?」と思われるかもしれないけど、それが違うのですよ。

今回のスーパーマンは苦悩するスーパーマン。今まで一番陰影があり、どこか孤独を身にまとっているような姿はちょっとセクシーで素敵です。女子的にはそこが注目どころでしょう!

滅びゆく惑星クリプトンで、科学者のジョー=エル(ラッセル・クロウ)は、赤ん坊をカプセルに入れて宇宙へと送り出します。その赤ん坊はカル=エルというジョーの息子。カプセルは地球に届き、ケント夫妻(ケビン・コスナー&ダイアン・レイン)のもとに。ふたりはクラークと名付け、愛情を持って育てます。

クラーク(ヘンリー・カヴィル)には特殊能力があり、夫妻は能力を隠すようにいいますが、正義感の強いクラークは特殊能力でたびたび人助けをしてしまいます。そんな彼にケントは「お前には使命があるはずだ。それを一生かかって突き止めろ」と告げます。クラークは放浪の旅に出ますが、彼を惑星クリプトンでクラークの父を殺したゾッド将軍(マイケル・シャノン)が追いかけてきて……。

この映画の監督はザック・スナイダー。あのマッチョな歴史活劇『300 <スリーハンドレッド>』の監督です。コミックの映画化作品が多く、アクション好きなので『スーパーマン』シリーズの監督にはうってつけでしょう。きっとノリノリで引き受けたのだろうと思ったのですが、最初はとまどったそうです。

「あのスーパーマンだからね。好きなだけにためらったよ。でもやるしかない! と覚悟を決めたんだ」とスナイダー監督。これまでの『スーパーマン』シリーズよりも惑星クリプトンの描写に凝ってみたり、スーパーマンの飛行も最速にしてみたりと ”これまでとは違うスーパーマンだ” という意識を強く持って演出したようで、それは作品に表われています。スーパーマンのユニフォームも今回は赤いトランクスなしですからね。

しかし、何より注目なのはスーパーマンことクラーク・ケントを演じたヘンリー・カヴィルでしょう。ヘンリーは前作『スーパーマン リターンズ』のオーディションを受けていたけれど、ブランドン・ラウスに破れてしまったのです。でも人生何が起こるかわからない。真面目に役者の仕事をやっていたら、新しいスーパーマン役が飛び込んできたのですから。オーディションもほとんどなく決定したそうですよ。きっと製作陣には印象深い役者として記憶に残っていたのでしょう。今回のスーパーマンは少々感傷的な印象がありますが、それがカヴィルの生真面目なキャラクターにマッチしてよい効果をもたらしています。

これまでの『スーパーマン』映画のようなユーモアや明るさはない分、子供たちのヒーローというより、今回は大人たちのヒーローとして降臨したような気がしてなりません。最速の飛行シーン、バトルシーンの破壊力のすさまじさ、正直「そんなに壊さなくても……」と思ったりもしましたが、アクション映画好きの男性はスカっとするのかも?

カップルで見れば、彼はスーパーマンの強さとそのアクションに酔い、彼女はスーパーマンの厚い胸板にウットリしちゃうこともありそうです。
(映画ライター=斎藤 香)

『マン・オブ・スティール』
2013年8月30日公開
監督: ザック・スナイダー
出演: ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーンほか
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