元個人投資家・五月さん(30歳)。05年にドラマ『ビッグマネー!〜浮世の沙汰は株しだい』(フジテレビ系、原作は石田衣良の小説『波のうえの魔術師』)を見て株式投資を始める。当初はデイトレード中心だったが、09年以降は中小型株の中長期トレード中心に。シナジーマーケティングやエスクリなど、数倍になる銘柄を発掘し、7年半で資金を約2000倍にまで増やしたカリスマ投資家として、ダイヤモンドZAiなどの各種メディアにも登場していた。

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 65万円の資金を元手に始めた株式投資で、7年半で2000倍近いパフォーマンスを記録した元個人投資家・五月(ごがつ)さんこと片山晃さん。

 個人投資家としての運用に区切りをつけ、新たなチャレンジの場に選んだのは、日本でもトップクラスの成績を誇る「ひふみ投信」の運用チームに加入し、機関投資家としてマーケットと対峙することだった。

「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスに入社した五月さんへの直撃インタビュー前編(個人投資家⇒機関投資家へ!元カリスマ投資家・五月さんが語るプロ転向の理由とは?)では、「五月さんが機関投資家になった理由」を探ったが、後編の今回は「機関投資家としてどのような活動をしていくのか」を掲載する。

機関投資家は思った以上にプロの集団だった

 さて、五月さんは「機関投資家としてイチから勉強」というが、個人投資家時代に機関投資家を遥かに凌駕するパフォーマンスを記録した五月さんは、これ以上、何を学ぼうとしているのだろうか。

「ネット時代になってどんどん企業情報の開示は進んでいて、個人投資家でアクセスできる情報の範囲は今までに比べればありえないくらい豊富になったと思うんですが、ただ最終的に会社の中で仕事をしている人たちにアクセスする方法はなかった。で、僕自身はその情報は『そんなに大したことではないだろう』と思っていた節があったんです。公開情報だけでも十分に勝てていましたし、逆に余計な情報はないほうがシンプルでいいんじゃないか、という気持ちもあった。ところが昨年、結構株を買っていた会社にメールで質問をしたら、会社の役員の方が説明に来てくれる機会があったので、僕も相当ネット上でリサーチをして、自分なりにまとめた情報を持って臨んだんですが、実際に話を聞くと、勘違いしている部分も相当あったし、知らなかった情報もあった。そして、ディスカッションする中でライバル企業に対する優位性はどうかという話を聞いてみたら、ライバル企業のほうが投資先としては魅力的だと気づいたんです」

 そして、五月さんはそれ以上、その会社に追加投資を行わず、ライバル企業への投資を決めたのだという。

「そうしたら、やっぱりライバル企業のほうが儲かった。実際に話を聞いてみると、まったく想像もしてなかったような発見が生まれるんだなと、そこで初めて体感しました。そういう経験をすると、意外と機関投資家サイドに入るのも、すごく面白いんじゃないかっていう好奇心が沸いてきましたね」

 個人投資家時代でも数多くの公開情報を基に、投資判断を下し、それを的中させてきたが、今後はその精度がもっと上がる可能性もある、ということか。

「会社に行って、話を聞いたからといって、それで本当のことが見えてくるとは言えないと思うんですけど、それでもやっぱり実際に会社の人に話を聞くのと聞かないのとでは、情報の密度には違いが出るのではないかと思いますね」

 5月に入社して2カ月余り、実際に日本でも有数の成績を上げている「ひふみ投信」の運用チームに加入して、五月さんは日々、「チームで運用する」という強さを感じているという。

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