ヘッジファンドが相場を売り崩しても、長期的な株価上昇トレンドは続く

皆がドドッと売りに走れば、株価は暴落するに決まっている。大きく下げたところを買い戻せば、売り崩しを仕掛けた連中はボロ儲けとなる。

今後、われわれのような長期投資家がもっと多くなれば状況は一変していくだろう。長期投資家は大きく下げたところをどんどん買い向かう。それをやられたら、一番困るのは売りを仕掛けた連中だ。日本に多いヘナチョコ投資家のように真っ青になって右往左往するどころか、逆に買い向かってくるのだからたまらない。ひとつ間違えると、大きく担ぎ上げられてしまう。

相場を追いかけるだけの投資家が多い日本株市場では、ヘッジファンドなどが先物市場を使って好き放題に暴れられる。売りでも買いでも大きく儲けられるのなら、相場の方向など上でも下でもかまわないわけだ。だが、そうは言うものの、いくら目先の相場を振り回す彼らでも、中長期的な相場の方向には絶対に逆らえない。ちょうど孫悟空がキント雲に乗って天空を自在に飛び回っていたはずが、何のことはないお釈迦様の手のひらの上だったように。

いくらヘッジファンドなどが売り崩したところで、長期的な株価上昇トレンドは続いていく。したがって、調整局面が来たら、迷うことなく買い増しでいこう。

澤上篤人(ATSUTO SAWAKAMI)
さわかみ投信会長

1947年、愛知県名古屋市生まれ。73年、ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。ピクテ・ジャパン(現・ピクテ投信)代表取締役を経て、96年にサラリーマン世帯を対象にさわかみ投資顧問(現・さわかみ投信)を設立。『5年後の日本をいま買う長期投資』(小社刊)、『本物の株価上昇の波が来たぞ!』(日経BP 出版センター)など著書多数。



この記事は「WEBネットマネー2013年9月号」に掲載されたものです。