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原子力規制委員会は28日、福島第1原子力発電所(以下、福島第1原発)の汚染水貯留タンクから高濃度汚染水が漏えいした問題について、INES評価を「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げたと発表した。

福島第1原発では、8月19日に4号機山側の貯留タンクから約300トンの高濃度汚染水が漏れていたことが明らかになっており、このうち一部が海に流出した恐れが出ている。

同委員会は当初、この問題を暫定的に「レベル1」(逸脱)と評価していたが、漏れ出た放射性物質が数千テラ(1テラは1兆)ベクレル規模に上ると推測されることなどから、「レベル3」への引き上げを検討し、国際原子力機関(以下、IAEA)に確認を求めていた。

これに対し、IAEAは「原子力事故の収束に向けて応急措置として作られた施設に対しても、INESは適用され得る」、「福島第1原発H4エリアタンクにて発生した汚染水漏えい事象を福島第1原発事故とは切り離して検討することも選択可能」などと回答。

これを受け、原子力規制員会はIAEAに確認の取れたINES評価上の取り扱いに沿って、INESの適用と評価について見直しを実施。汚染水漏えい事象のINES評価を「レベル1」から、8段階中、上から5番目の「レベル3」に引き上げた。

INES(International Nuclear and Radiological Event Scale:国際原子力・放射線事象評価尺度)とは、原子力発電所等のトラブルについて、それが安全上どの程度のものかを表す国際共通指標。評価は、「人と環境」「施設における放射線バリアと管理」「深層防護」の3つの基準により行われ、最も高いレベルがそのトラブルの評価レベルとなる。評価レベルは、「レベル0」(安全上重要ではない事象)から「レベル7」(深刻な事故)の8段階に分かれており、福島第1原発の事故は既に「レベル7」(深刻な事故)と評価されている。

(御木本千春)