カンボジアに進出する日系企業による合同就職説明会には約800人が訪れた=7月16日、プノンペン市内で【撮影/木村文】

写真拡大

朝日新聞のマニラ支局長などを経て2009年に単身カンボジアに移住。現在は現地のフリーペーパーの編集長を勤める木村文記者のカンボジアレポート。カンボジアに拠点を持つ日系企業や、これから進出する企業による合同就職説明会が7月16日、プノンペンのカンボジア日本人材開発センター(CJCC)で今年も開かれた。日本語を学ぶ人たちや日系企業に関心のあるカンボジア人を対象にした説明会で、昨年並みの約800人が会場を訪れた。

説明会には約800人が参加。幹部候補社員を募る企業も

 カンボジアに拠点を持つ日系企業や、これから進出する企業による合同就職説明会が7月16日、プノンペンのカンボジア日本人材開発センター(CJCC)で今年も開かれた。日本語を学ぶ人たちや日系企業に関心のあるカンボジア人を対象にした説明会で、昨年並みの約800人が会場を訪れた。

 説明会に参加した企業は34社・団体。これも昨年並みの数だが、目立ったのは、サービス業の幅が広がり、加えて高度なビジネス人材のニーズが高まっているということだ。

 カンボジアへの日系企業の進出は、2010年ごろから急増している。カンボジア日本人商工会によれば、2010年度に50社だった正会員(カンボジアに現地法人、支店または駐在員事務所などがあり、日本人が常駐していることなどが条件)が、2012年度には2倍以上に増えている。

 同商工会では会員を製造業、建設・不動産、金融・サービスなどの5分野に分けて部会を設けているが、特に会員増が目立つのが、製造業部会と金融・サービス部会だという。また、飲食や小売業の場合、商工会に加盟しない日系企業も多く進出している。今回の説明会だけ見ても、タイで展開する日系の美容サロン、カンボジアに進出を決めた日本の大手家電販売、食品会社など、サービス業の幅が広がっていることが伺える。

 ただ、多くの日系企業にとって、カンボジアの「市場」は未知の世界だ。長い戦乱が続いた人口約1500万人の小さな国は、これまで日系企業にとって「市場」とはみられてこなかった。しかし、2000年代に入ってからの政情安定や、カンボジア政府の外資優遇策により、経済が急成長し、首都プノンペンの住民を中心に購買力が格段に上がった。

 IT環境の充実、自動車社会の到来など、首都に限定されてはいるが、カンボジアの人々の消費生活は目まぐるしく変化している。そんななかで、日系企業の進出にもカンボジア人をターゲットにしたサービス業、という選択肢が生まれ育っている。

「未知の分野」であるカンボジア人市場を狙う企業にとって、必要なのは将来にわたり戦力となり得るカンボジア人スタッフだ。今回の就職相談会では、単に日本語が分かることや、日本に関心があるだけでなく、「幹部候補社員」を募る企業が目立った。たとえばこれからカンボジアに進出する家電販売店の担当者は、「マネジメントができる人材を確保したい」と、言う。採用されたら一定期間、日本へ渡ってもらい、フルサポートで研修を受けてもらう。社員の人材育成を重視する日本企業ならではのアプローチで、多くの若者たちが熱心に聞き入っていた。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)