「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野英人さん。野村投資顧問(現:野村アセットマネジメント)や外資系運用会社を経て、03年にレオス・キャピタルワークス創業に参加、CIO(最高運用責任者)に就任。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネジャーとして豊富なキャリアを持つ。著書に『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。22年勝ち残る1ファンドマネジャーの超投資法』(ダイヤモンド社刊)など。

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 前編(資産2000倍の元カリスマ個人投資家・五月さんは、なぜ「ひふみ投信」に入ったのか?)では、「ひふみ投信」のファンドマネジャー・藤野英人さんに、元個人投資家・五月さんが運用チームに加入することになった経緯を聞いた。

 今回は「ひふみ投信」のアナリストとなった五月さん、そしてそれを受け入れた「ひふみ投信」の将来について聞いてみた。

五月さんが機関投資家でさらなる成長を遂げる!

 藤野さんは五月さんの投資・運用に関する能力や組織人としての能力を高く評価しつつも、さらなる成長の余地があると見ているようだ。その成長の方向性は三つ。一つ目は機関投資家だからできる企業への「取材」によって銘柄を見極める能力だ。

「ほかのファンドマネジャーと一緒に個別取材に行ったり、すでに一人で取材に行ったりもしています。それと、僕はなるべく普段会えないような起業家や経営者が来る機会に、若手をピックアップして連れて行って、ご飯を食べたり、お酒を飲んだりしながら話す機会も作っているので、彼にとってもインパクトがあるような体験をつくってあげたいと思っています」

 もう一つは、大きな資金を動かす能力。確かに、個人投資家としては巨大なポジションを持った経験はあっても、顧客から預かった100億円を超える資金を動かすのは、さすがの五月さんにとっても初めての経験だ。

「100億円、200億円の資金で、大きなサイズを持ったときの市場へのインパクトとどう戦うか。しかもお客様のお金ですからね。それで失敗したときに、その失敗とどう向き合うのかとか、そういうところを一緒に学んでいく経験が厚くなると、プロの機関投資家として一本立ちできる」

 そして、最後は機関投資家として顧客から資金を預けてもらえるようにアピールする能力。

「ファンドマネジャーはセールスマンでなければならない部分もあるので、自分が運用しているファンド、組み入れた銘柄やポートフォリオ全体をどうアピールして、資金を増やしていくのか。そして、もし失敗したときはちゃんと説明をして、お客様の信頼をつなぎとめていかないといけません。ただ、この点は彼もよくわかっていて、ただ単にいい銘柄を発掘して、それを組み入れればいいというのではなくて、『ちゃんと説明して信頼してもらうにはどうすればいいのか』『ひふみ投信をどうやって売っていけばいいのか』といういろんなアイデアを持っている。彼が持っているアイデアをいかに我々が取り入れていけるか、というのが我々の課題ですね」

「ひふみ投信」は、ますます「顔が見える投信」へ

 ひふみ投信の特徴は、毎月開催されている運用報告会「ひふみアカデミー」で運用チームが話をしたり、藤野さん自身が著書や各種メディアに登場したりと、「自分のお金を運用している人の顔が見える」という点。現在、直販系の投信が注目を集めている大きな理由の一つでもある。

 今回、個人投資家として有名だった五月さんをチームに加えたことで、さらに「誰が、どんな運用をしているのか」という点に注目が集まることになるだろう。

「それは僕も期待している点です。彼には僕を食うくらい有名になってほしいし、積極的に表に出て行ってほしい。いずれは100名、1000名の前で話ができるようになるといいなと。五月くんはそれだけの能力とキャラクターを持っていると思います。ただ、僕の真似をしろなんて言うつもりもないし、僕のコピーをつくろうとは思っていません。彼は僕のコピーにもならないでしょう。その代わり、五月くんは五月くんのいいところを伸ばしていけばいい」

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