投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、8月19日〜8月23日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、日本と米国のインフレ率の発表を受けて、日銀の異次元の量的・質的金融緩和の効果と米国連邦準備理事会(FRB)の資産購入プログラム縮小の可能性を見極める展開が予想される。日本時間9月8日に決定される2020年夏季オリンピックの開催地が、東京に決定されるのではないかとの期待感から下げ渋る展開が予想される。

 リスクシナリオとしては、中東や北アフリカの地政学的リスク、新興国市場からの資本流出懸念を受けた金融危機の可能性などに要警戒か。

【米国4-6月期国内総生産(GDP)改定値】(29日)
 米国4-6月期の国内総生産(GDP)改定値は、速報値の前期比年率+1.7%から+2.3%へ上方修正されることが予想されている。予想を下回った場合、FRBの資産購入プログラム縮小観測が後退することで、ドル売り要因、予想を上回った場合は、ドル買い要因となる。

【日本の7月のコア消費者物価指数】(30日)
 日本の7月のコア消費者物価指数は、前年比+0.6%と予想されており、6月の前年比+0.4%に続いて2ヶ月連続して上昇基調となり、デフレ脱却観測が高まることが見込まれている。先行指標である8月の東京都区部のコア消費者物価指数も上昇することが予想されており、エネルギー価格の上昇を受けたインフレ率上昇の懸念が高まりつつある。

【米国7月コア個人消費支出価格指数】(30日)
 米国連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標と見なしている米国7月のコア個人消費支出価格指数は、前年比+1.3%と6月の前年比+1.2%から上昇することが予想されている。

 米国のディスインフレ懸念が、米国連邦準備理事会(FRB)のハト派にとっての資産購入プログラム継続の根拠となっていることで、予想通りとなれば、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での資産購入プログラム縮小観測が高まることになる。

【安倍トレードの三角保ち合い】
 安倍トレード(日本株買い・円売り)は、調整局面に入り、「三角保ち合い」を形成している。ドル・円は、103円74銭から93円75銭まで下落、日経平均株価は、15942円から12415円まで下落した後、「三角保ち合い」を形成しており、放れに就くスタンスで臨むことになる。

 8月26日〜30日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)7月耐久財受注− 26日(月)日本時間午後9時30分発表
・予想は、前月比-3.6%
 参考指標となる7月ISM製造業景況指数の内訳「新規受注DI」は58.3と6月51.9から上昇。7月の各地区連銀公表の製造業関連指標はNY、カンザスシティー、フィラデルフィアは上昇、ダラスは低下。全米レベルでは製造業の生産活動は拡大しているとみられる。7月の数字はコンセンサスを上回る可能性がある。

○(米)8月消費者信頼感指数− 27日(火)日本時間午後11時発表
・予想は、79.3
 米国株式市場は8月に入り軟調気味に推移している。雇用情勢は回復基調にあるものの、雇用環境の急速な改善は期待できない。ただし、住宅市場はまずまず順調であること、製造業は回復傾向にあることから、前月とおおむね同水準か、若干低下する見込み。

○(日)7月全国消費者物価指数− 30日(木)午前8時30分発表
・予想は、全体の数字が前年比+0.7%、コアは同比+0.6%
 6月に続いて前年比プラスとなる見込み。原油価格に大きな変動はないが、物価押し下げに寄与する項目は少ない。為替相場の影響はほぼ中立。参考指標となる7月の東京コアCPIは、前年比+0.3%だった。市場コンセンサスは妥当か。

○(日)7月完全失業率− 30日(金)午前8時30分発表
・予想は、3.9%
 参考指標となる6月の完全失業率は3.9%。有効求人倍率は上昇傾向にあり、失業率の低下につながる一因となる。労働参加率に大きな変動はないことから、失業率は横ばいとなる見込み。

 主な発表予定は、27日(火):(米)6月ケース・シラー住宅価格指数、28日(水)(米)7月中古住宅販売仮契約、29日(木):(米)4-6月期国内総生産改定値、30日(金):7月PCEデフレータ。

【予想レンジ】
・ドル・円96円00銭〜101円00銭