生まれ故郷でなくてもOK!税額からの控除で寄付を後押し
ノーリスク&低負担で、株主優待のような特産品などの特典が手に入ったり、被災地支援が直接できたりするため、今ひそかなブームとなりつつある「ふるさと納税」。住民税の一定範囲内なら2000円の負担だけで済み、やってみると意外と簡単。そこで、その仕組みやメリット、また情報収集、申し込み、税金還付などの方法について、わかりやすく紹介しよう。


実際に寄付した金額から2000円を引いた差額分が税金から減額

2000円の負担だけで豪華特典がもらえると聞くと、「そんなうまい話があるわけない」といぶかる人も多いだろう。そこでふるさと納税の仕組みをおさらいしておこう。

まず、A市在住の人がB市に寄付をしたとする。すると、特産品などの特典とともに、受領証明書が送られてくる。これを添付して翌年の3月までに、税務署に確定申告で「寄附金控除」を申し出ると、居住地のA市に税金を控除する旨の報告書が届く。結果として寄付した金額から2000円を引いた差額分だけ、納めた所得税が還付されたり、翌年払う住民税の金額が減ったりするという仕組みだ。

確定申告では「寄附金控除」の欄に寄付先と寄付金額、差額などを記入すればOK。申告書は税務署への提出が必要だが、インターネット経由で行なうこともできる。普段、株やFXの関係で確定申告を行なっている人にとっては、たいした手間ではないはずだ。

「皆さん、最初は難しいという印象をお持ちですが、意外とシンプルで、やってみれば簡単なんです」と話すのは、ふるさと納税に関するサイト「ふたくす」を運営するNPO法人の理事長、吉戸勝さん。

「最近は特典の豪華さで注目が集まっているようですが、もともとは地域を応援しようという趣旨の制度。地元の自治体の教育や行政サービスの恩恵を受けて育った人間が、いざ税金を納める社会人になると都会へ出てしまって、地元に恩返しができない。それをなんとかできないか、というのが出発点です」(吉戸さん)

ただし、寄付先は自分の生まれ育った町である必要はない。旅行で気に入った土地でも、応援したい町でもよい。

「?ふるさと〞という名称なので誤解されやすいのですが、全国どこでも寄付先を選ぶことができます。実際、東日本大震災を機に、被災自治体にふるさと納税を行なうケースが増えています」(吉戸さん)

それを裏づけるかのように、2011年の制度利用者は前年までの3万人台から74万人、寄付金総額も67億円から650億円へと、震災の年に飛躍的に伸びている。

「普段、自分が税金をいくら払っていて、それがどのように使われているか、関心を持つことはほとんどありません。でも、自分で寄付先を選べるようになると、おのずと関心も高まります。自治体によっては事業を選んで寄付できるところもあります。この制度の利用が、税金のことを考えるきっかけになればいいですね」(吉戸さん)



住民税の1割程度なら控除率が高く、負担を抑えられる

そこで気になるのが、どのくらいの金額まで寄付できるかという点。もちろん、寄付金額は寄付する人の気持ち次第で、原則として下限も上限もない。ただ、納めている税金の額によって、控除される金額も違ってくる。いくらまでなら払う金額を抑えて効率的に寄付に回すことができるのか、知りたいところだ。

「まず2000円は手数料のようなもので、必ず負担しなければなりません。そして、ざっくり言うと、住民税(所得割)の1割程度を寄付した場合に控除(返戻)率が高くなります」(吉戸さん)

たとえば下の例では、年収700万円で個人住民税を約29万3500円納めている場合、3万円の寄付をすると所得税、住民税合わせて2万8000円が軽減される。つまり、3万円くらいまでなら2000円の負担だけで済む。