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企業の社会貢献活動(CSR)の必要性が言われて久しいが、銀行や証券取引所などの金融機関でも、夏休みの機会を活用して子供らを対象にした社会貢献活動を行っている。「お金」について学べる教室や見学ツアーで金融や銀行のことを詳しく学ぶことができたり、中には、絵本の読み聞かせを楽しむことができたりするものもある。この夏に開催された、金融機関の社会貢献活動の幾つかを紹介しよう。

○お金の大切さを金銭教育や社会体験を通じて学ぶ、十六銀行のキッズフェスタ

岐阜県岐阜市に本店を置く十六銀行では、お金の大切さを金融教育や社会体験を通じて子供の頃から学ぶことを目的に、親子で楽しみながら体験できるイベント「WAKU! WAKU! キッズフェスタ!」を7月22日と23日に開催した。

同イベントは今年で4回目となり、昨年同様2日間で100組200人の小学生の親子が無料で招待された。イベントは、「学んで!」「遊んで!」「もらっちゃおう!」の3つに分かれている。「学んで!」では通帳を作成する模擬体験やお金に関する話の聴講、「遊んで!」では同行の卓球部に親子が挑戦、「もらっちゃおう!」では、食品サンプル作りに挑戦し完成したサンプルがプレゼントされたり、カブトムシに触って遊んでプレゼントされるなど、充実した内容となっている。

同イベントについて、十六銀行では、「資産運用の広がりによる自己責任重視の傾向や、複雑化する金融犯罪の増加を背景に、生活に役立つお金の勉強などを通じた金融教育の実施は、金融機関の務めであると考えています。遊びの要素を取り入れた親子で楽しめるプログラムを盛り込むことにより、夏休みの思い出作りの一助になればと考えています」と話している。

このような企画は、他にも関西アーバン銀行、西日本シティ銀行、山梨中央銀行などでも開催されている。たとえば西日本シティ銀行では、"地域への貢献、知的貢献"の一環として、第7回「キッズ・サマー・キャンプ〜お金のがっこう〜」を開催。お金や銀行の役割をクイズ形式で学習したり、一億円の重さや銀行の窓口体験ができる内容となっている。

○9年目を向かえる「りそなキッズマネーアカデミー」は全国で開催

りそな銀行も「金融教育」に積極的に取り組んでいる。りそな銀行では、「お金の役割やお金の大切さを知ることは、自分の夢をかなえる第一歩」として、子ども向け金融経済教育セミナー「りそなキッズマネーアカデミー」を全国で開催。今年で9年目を向かえる。

「りそなキッズマネーアカデミー2013」では、お金の役割や銀行の仕事などをクイズで学ぶことができる半日コースと親子ともども楽しめる親子コースがある。親子コースでは、子どもがお金の大切さをゲームで体験しているときに、親は別の場所でライフプランニングを学ぶことができるカリキュラムもある。

さらに、りそなでは、大阪ガスと共催で「学ぼう! マネー&クッキング」も10カ所で開催。カレー作りを材料選びから調理まで体験することで、食とお金の大切さを親子で学ぶことができる。

○セブン銀行は、大型絵本の読み聞かせを行う「ボノロンおはなし会」を実施

一方、同じ銀行でも、セブン銀行は他行とは"一味違った"夏休みの社会貢献活動を行った。それが、同行有人店舗での「ボノロンおはなし会」だ。

『森の戦士ボノロン』は、人気漫画家の原哲夫氏がプロデュースする、巨木の森タスムンからやってきたボノロンの活躍を描いた絵本シリーズ。セブン銀行は2005年6月より協賛を開始。グループ会社のセブン-イレブンやデニーズ店舗等で、偶数月の15日にフリー絵本を配布している。

「ボノロンおはなし会」は、2008年より開始した『森の戦士ボノロン』の読み聞かせイベント。社員による『森の戦士 ボノロン』の大型絵本の読み聞かせを、有人店舗で行っている。「子どもが1人で読むには難しいお話でも、親御さんなど大人の人と読むと『なぜ?』『どうして?』と会話が生まれ、読み聞かせを通じて子どもたちに読み手の『心』や『思い』を伝えることができる」(セブン銀行)。

今年も、夏休み特別企画として、5カ所で「ボノロンおはなし会」を実施。このうち、東京都葛飾区の「アリオ亀有」内のセブン銀行亀有店で7月31日に行われたおはなし会には、約30組の親子が参加。同行の各部門から集まった社員が「ボノロンパパ」、「ボノロンママ」として、読み聞かせを行った。

絵本の内容は、ボノロンが「友達ができる魔法の言葉」を子供に教えるというもの。その言葉とは感謝の気持ちを表す「ありがとう」という言葉で、子供たちは読み聞かせ中、真剣にじっと大型絵本を見つめていた。おはなし会の後にボノロンママたちが、「『ありがとう』を1日1回言うと、友達がふえるんじゃないかな」と話すと、子供たちも素直に納得した様子だった。

「絵本の読み聞かせ」の後は、ボノロン体操が行われた。歌に合わせて両手でグーをつくってぐるぐるまわした後にじゃんけんをたり、膝やお腹をたたいたりと、なかなか素早い動作が必要だが、そこは子供ならではの柔軟性で、すぐにできるようになった。

お母さんの買い物についてきておはなし会に参加した足立区の5歳の幼稚園児は、おはなし会について、「絵本もボノロン体操も楽しかった。またぜひ参加してみたい」と話していた。

また、「ボノロンママ」として、初めておはなし会の実施に加わったセブン銀行ATM業務管理部の今林彩夏さんは、「とても緊張したけど、子供がかわいくて楽しかったです」と笑顔。2回目の参加という同行新規事業部の田中佐和子さんも、「久しぶりだったのですが、ボノロンのことを知ってもらえてうれしかった」と話していた。

参加した子供たちには風船とボノロンの絵本、絵画コンクール用の画用紙が配られ、ボノロンの思い出を胸にしながら散会した。

○金融庁や東証を見学し、経済の最前線を親子で学ぶ

一方、銀行以外では、金融庁が「子ども見学デー」を、東京証券取引所は「親子経済教室」を開催。

金融庁の「子ども見学デー」は、毎年、夏休みに霞ヶ関の中央省庁などが連携して実施している取り組み「子ども霞ヶ関見学デー」の一つで、子どもたちが職場見学などを通じて、親子のふれあいを深め、広く社会を知る機会を提供するためのもの。今年の金融庁の「子ども見学デー」は8月7日、8日に開催された。お金の役割や大切さを子どもたちにわかりやすく実感してもらうための企画が用意されたほか、普段は見ることができない金融庁内の見学なども行われた。

金融庁の「子ども見学デー」は小学生が対象だが、小学4年生以上中学3年生までの子どもを対象としているのが、東京証券取引所が開催した夏休み「シェア先生の親子経済教室」だ。経済や株式会社というものが、自分たちの暮らしとどのように結びついているのか、親子で一緒に学ぶことができる。

いかがだっただろうか? "お堅い"と思われている金融機関でも、子供たちが楽しめて知識や情操教育の面でためになるイベントをさまざまな形で開催していることが分かってもらえたのではないだろうか。お子さんをお持ちの方は、ぜひ子供さんと一緒に体験してみるのもいいかもしれない。

(金野和子)