取材・文: 編集部  写真: Takashi Osato @angle management

ロンドン生まれ、パリ育ち。いま人気急上昇中のファッションデザイナー、Olympia Le-Tan (オランピア・ル・タン)。2009年にスタートした彼女と同名のブランドは、ウィットに富んだ抜群のセンスと、フェミニンかつ伝統的なつくりのラグジュアリーな作品で注目を集め、2013年度「ANDAMファッション・アワード」のファイナリストにも選ばれている。定番でリリースさせる本をモチーフにしたクラッチバッグがアイコンとしても有名だ。

今回、Olympiaが新ライン「Ex-Libris by Olympia Le-Tan (エックス リブリス バイ オランピア ル タン) をJUNグループと共同で立ち上げた。ファーストラインの若いファン層のために価格帯をおさえたラインで、学生時代を思い起こす、たのしくカラフルなコレクションになっている。先日、この新ラインのポップアップショップが表参道のmontoak (モントーク) にオープンするにあたって来日したOlympiaに、彼女のクリエーションの原点と新ラインについて話を聞いた。


Ex-Libris by Olympia Le-Tan's pop-up store at montoak, Omotesando

- ファッション業界でのキャリアはどういう風にスタートしたんですか?

アートスクールに少しだけ通って、それからCHANEL (シャネル) のKarl Lagerfeld (カール・ラガーフェルド) の元でインターンをしたんです。そこで当時Karlの右腕だったGilles Dufour (ジャイルス・デュフォー) に出会いました。そして彼がBALMAIN (バルマン) のクリエイティブ・ディレクターに抜てきされて、彼についていくことになったんです。彼が自分のブランドを立ち上げるときもサポートしました。7年間、一緒に仕事をしていたことになります。

 

- お父さんのPierre Le-Tan (ピエール・ル・タン) はフランスで著名なイラストレーターですよね。ファッションの道を進むにあたって、お父さんに影響を受けたとおもいますか?

おそらく父の影響を受けてアートスクールに行きたいとおもったのだとおもいます。祖父はベトナム人の画家だったのですが、彼からも絵の描き方を教わりました。祖母にも裁縫や刺繍の縫い方を教えてもらったのを覚えています。

 

- メインラインの「Olympia Le-Tan」はアイコン的な本の形をしたクラッチバッグで知られていますが、なぜ本をモチーフにしたんですか?

父が本の収集家だったので、実家には本がたくさんありました。影響を受けて私自身も本を集めはじめたんです。アメリカの小説の初版を集めたりしていましたね。本にかこまれた生活をしていたので、バッグをつくりはじめたときにモチーフにしようと最初におもったんです。


Photography: Takashi Osato @angle management

- 好きな本を数冊教えてください。

1番好きな本はCarson McCullers (カーソン・マッカラーズ) の『The Heart Is a Lonely Hunter (心は孤独な狩人)』です。子ども向けの本も大好きで、Babar (ババール) やEdward Gorey (エドワード・ゴーリー) が好きですね。もちろん、Hemingway (ヘミングウェイ) やFitzgerald (フィッツジェラルド) も。

 

- 自発的に初めて読んだ本のことを覚えていますか?

小さいころは、Roald Dahl (ロアルド・ダール) に夢中だったので、たぶん彼の本だとおもいます。『Charlie and the Chocolate Factory (チャーリーとチョコレート工場)』や『James and the Giant Peach (ジャイアント・ピーチ)』など、全部読みました。

 

1/2 ページ: 新ライン「Ex-Libris by Olympia Le-Tan」と、オランピアがお気に入りの東京・パリのスポットについて

- JUNグループとの新ライン「Ex-Libris by Olympia Le-Tan (エックス リブリス バイ オランピア ル タン) についてですが、このコラボレーションはどのようにはじまったのですか?

去年、来日してmontoak (モントーク)でメインラインのポップアップショップを開いたんです。よりお手頃な価格帯のスウェットシャツやトートバッグをJUNとつくったのですが、よく売れたみたいです。そこでJUNからオファーをもらって、新ブランドを立ち上げることになりました。いまのところ日本市場でのみの販売です。


Ex-Libris by Olympia Le-Tan's pop-up store at montoak, Omotesando

-コレクションの内容について教えてください。

“Ex-Libris”というブランド名は、直訳すると“蔵書票”という意味です。毎シーズン、父に“Ex-Libris”のスタンプをいろいろとデザインしてもらって、デニムジャケットやトートバッグなどに貼り付ける予定です。私はバッグに使うモノグラムの柄をデザインしました。スウェットシャツやドレス、ジャケットにも同じ柄が使われています。靴下やタイツもあります。

 

- メインラインのバッグは、すべて手作業で生産されているんですか?

バッグはすべてフランスでハンドメイドされています。洋服もフランス製ですが、すべてが手作業というわけではありません。機械も使います。でもかなり高級な素材を使用していて、工場もHermès (エルメス) やBalenciaga (バレンシアガ) と同じです。テーラリングは本当に重要ですね。

 

- 昔から自分のブランドを持ちたかったのですか?

そうですね。まずはバッグからはじめました。本のクラッチをつくる前は、自分自身でトートバッグの刺繍もしていました。バッグからスタートしたのは、資金がそれほどかからないからです。バッグが成功して売れ出したので、既製服の生産もできるようになりました。

 

- まだDJはしていますか?

もうしていません。DJをはじめたのは、友だちのAndré (アンドレ) がパリでLe Baron (ル バロン) というクラブをオープンさせたときなんです。いつもあそこに入りびたっていました。DJが遊ぶ口実でしたね。それからLe Baronが東京にもできて、東京にも来るようになりました。半年住んでいたこともあります。東京は大好きです。

 

- 東京だとどのエリアが好きですか?

お花見シーズンの中目黒と、広尾が好きです。広尾にあるナショナル麻布が好きですが、もう変わってしまってつまらなくなったと聞きました。

 

- 東京に路面店をオープンする予定はありますか?

いずれオープンしたいです。まずはパリにオープンさせて、それから日本でしょうか。「Ex-Libris by Olympia Le-Tan」のラインは、アダム エ ロペ主要店でショップインショップの形態で展開していきます。

 

- いまはなにに取り組んでいますか?

9月末に発表する次のコレクションです。パリで発表します。

 

- 最後に、パリのおすすめスポットを教えてください。

Café de Flore (カフェ・ドゥ・フロール) はいつも良いです。あと、パリにもおいしい日本食レストランがあります。Rue Molière (モリエール通り) にあるTakaraというところで、パリで初めてオープンした日本食レストランです。Kunitorayaというところもあります。Quai Voltaire (ヴォルテール通り) にあるLe Voltaire (ル・ヴォルテール) は、伝統的なフレンチレストランで、ここもおいしいです。あと、Hotel Amour (ホテル・アムール) でいつも遊んでいます。

Rue de la Bûcherie (ビュシュリー通り) にあるShakespeare and Company (シェイクスピア・アンド・カンパニー書店) という昔からある本屋さんもすごく好きです。サン=ミッシェルの近くにあります。


Photography: Takashi Osato @angle management

Olympia Le-Tan (オランピア・ル・タン) / 独学のファッションデザイナー。CHANELデザインスタジオのKarl Lagerfeldの元でキャリアをスタートさせ、その後BALMAINでGilles Dufourをサポート。Dufourが自身のブランドを立ち上げてからも、彼と働き続けた。2009年に彼女自身の名を冠したブランドをスタート。刺繍と文学にインスパイアされた限定生産のプロダクトは人気を博し、現在世界中で80以上の高感度セレクトショップで取り扱われている。2012年1月、フィレンツェで開催された「Pitti W」にゲストデザイナーとして招待され、同年3月に自身初のプレタポルテ・コレクションを発表した。

URL: http://www.olympialetan.com