シーズンを通じて苦しんだ石川、すべてを受け入れてここから這い上がる(Photo by Scott HalleranGetty Images)

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 米ツアーのレギュラーシーズン最終戦、ウインダム選手権は松山英樹と石川遼の明暗を分ける形になった。

 松山は全米オープンに始まり、全英オープンからは今大会まで5連戦という一連の海外連戦で賞金ランク105位相当の賞金を稼ぎ、来季の米ツアー出場権獲得を決めた。
 一方の石川は今大会でトップ5入りという厳しい条件をクリアできず、フェデックスカップランクでも賞金ランクでも125位から漏れて、2週後から始まる入れ替え戦のウエブドットコムツアー・ファイナル4戦へ挑むことが決まった。
 シード落ちが決まったそのとき、石川が口にしたこの言葉がずっと耳に残って離れない。「今年のレギュラーシーズンは今までで一番短い年。その年と僕の1年目が重なったのは、巡り合わせと思うしかない」
 今季の序盤、中盤と不調が続き、予選落ちを繰り返してきた石川。ここ1〜2週になって、ようやく調子が上向いてきたけれど、そのタイミングはすでにシーズンエンド。昨年までなら、10月以降に4〜5試合がフォールシリーズという名のラストチャンスとして残されていたが、米ツアーがシステムやスケジュールの大幅変更に踏み切った今年は8月の今大会がラストチャンスとなり、石川の好調への転機は遅すぎる春となってしまった。
 巡り合わせの悪さ、運の悪さは、確かにあった。かつては、あれほど強運の持ち主と呼ばれた石川が、米ツアーに挑んだ最初の年に運に見離され、巡り合わせに恵まれず、シードを落としたのは何とも皮肉だ。「持ってる人」から、あたかも「持ってない人」へ。石川がわずか8か月足らずで、そんなふうに変わってしまったように、運命の急変というものは誰にも突然訪れる。
 今大会でプレーオフを戦った23歳のパトリック・リードと20歳のジョーダン・スピースの運命も急変した。
 優勝したリードは、昨年は米ツアー出場権がなく、毎週のようにマンデー予選に挑む生活だった。が、昨年末のQスクール(予選会)を経て何とか今季の出場権を手に入れ、ルーキーイヤーの今年、たった23試合目にして米ツアーチャンピオンになった。
 スピースは今大会はプレーオフに破れたが、7月のジョンディアクラシックを19歳にして制覇したばかり。どれだけ試合に出られるかもわからない放浪のノンメンバーとして今季をスタートし、たった7か月後には米ツアーチャンピオン。大学時代までは「とにかく貧しかった」そうだが、今季は軽く2億円以上を獲得した。
 リードもスピースも石川も、去年と今年では大違いの日々。だからこそ、松山には、気を緩めることのないよう頑張ってほしい。リードやスピースのように1年足らずのうちにトッププレーヤーの仲間入りをする選手がいる一方で、石川のように1年足らずでシード落ちの下降線を辿る選手もいる。
 今季のシーズンが最短だったことは確かに石川の運の悪さだが、「今季の序盤、中盤は実力不足」。さらには、ヘルニア気味の腰が悪化した末の「完全なる練習不足」がパットの不調を呼び、その結果、彼はシードを落とした。そうやって負の連鎖が起こってシードを落とした選手は何にも石川だけじゃない。
 明日は我が身――常にそう思い、気を引き締めてほしい。1年後となる来年の今ごろ、松山も石川も上昇気流に乗りながら「巡り合わせが良かった」「運に恵まれた」と笑って言える日を迎えてくれたら、いいなと願う。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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