■株価チャートは投資家の売買の軌跡

 有望なテーマから銘柄を選ぶのもいいのですが、今回は初心者の方でも理解できるテクニカルな情報をお伝えしたいと思います。

 皆さんは株価チャートについて、どれぐらいの知識をお持ちでしょうか。受験生が過去問を解いて出題傾向をつかむように、株式投資でも過去の傾向を知ることは強力な武器になります。過去の業績や市場環境、近い将来の期待までが織り込まれている株価チャートは、投資家が実際に売買してきた軌跡。多くの投資家が意識するため結果的に法則どおりの値動きをすることが多くなります。

 今回紹介する「Wボトム」という法則は、Wの形を描くチャートの形で、株価が大底を打って上昇に転じたことを示すサイン。前回の高値にあたるネックラインを突破すると、Wの高さの倍程度の上昇が期待できると言われます。

 過去の経験則から、昨年11月から始まった現在の上昇相場は、途中で調整や短期的な下落を挟みながらあと1〜3年は続くと見ています。しかし、すでに急激に上昇している輸出関連や不動産などの人気銘柄は短期売買の投資家には魅力的でも、中長期で値上がりを狙うサラリーマン投資家にとっては?高値づかみ?の危険性が大きい。しかし、長い目で見てWボトムを描いた銘柄なら、上昇余地はまだまだ大きく残ります。

■チャートの過信は禁物成長性も見極めよう

 ただし、チャートは万能ではありません。出遅れ銘柄の中には投資家に人気がなく、大きな上昇が見込めないものも含まれているからです。東証1部の1720銘柄中、4月中旬時点でWボトムを描く銘柄は80程度ありましたが、投資するなら財務や成長力を慎重に見極める必要があります。

 今回はWボトム銘柄の中から、業績や財務に大きな問題がなく、アベノミクスやTPP、円安など旬のテーマのメリットを受けやすい企業をピックアップしました。株高による資産効果で百貨店などでは高額商品の売れ行きが伸びており、シチズンはその恩恵が期待できるでしょう。電動工具の日立工機は米国住宅市場の回復という追い風に加え、同業のマキタの株価が順調に上昇していることから注目が移ってくることも考えられます。日本郵船はTPP交渉が進展すれば、貿易量増加の期待で株価が一気に動意づく可能性がある。大幅増益を見込むカネカや円安メリットの大きい丸文も、上昇の余地は大きいでしょう。

田中達也氏

個人投資家支援サイト主宰 田中達也氏

投資情報サイト「株塾」主宰。デジタルワン個人投資家支援事業部長。独自の「場流線」を使ったチャート分析にファンも多い。

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【田中さんの推奨銘柄】

銘柄/コード株価最低購入価格概況
シチズンホールディングス
(東1・7762)
601円6万100円腕時計大手。好調な時計事業に加え、アベノミクスの成長戦略分野である医療業界向けの工作機械も手がける。
日立工機
(東1・6581)
826円8万2600円日立製作所の子会社で電動工具大手。震災からの復興需要や米国の住宅需要回復の追い風を受け増益が続いている。
日本郵船
(東1・9101)
255円25万5000円海運大手。連結子会社2社を統合し営業の強化も図る方針。政府が支援するブラジル沖の人工浮島・メガフロートの開発計画にも参画。
カネカ
(東1・4118)
580円58万円化成品、機能性樹脂、合成繊維などを手がける化学メーカー。電子基板材料や特殊塩ビが伸び増収増益を見込む。医療関連事業も拡大。
丸文
(東1・7537)
437円4万3700円半導体や電子応用機器などを扱うエレクトロニクス商社。13年第3四半期累計で赤字転落したが、通期の黒字予想は据え置く。

※「東1」は東証1部、「大1」は大証1部、「マ」は東証マザーズ、「JQ」はジャスダック市場の略。取引に際しては最新の情報を十分にチェックしたうえで、自己責任で行なってください。
※株価などのデータは4月26日時点。