いつも退職者を案内するBank of Commerceのセキュリィガード。こちらが上客であると知っていて、駐車や時間外の入店などいろいろと便宜を図ってくれる【撮影/志賀和民】

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フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのフィリピン・レポート。今回は、フィリピンの街中で見られるショットガンを構えるセキュリティガードについて。日本人には違和感のある景色だが、フィリピンで暮らすには大いに役立っているよう。その活用法とは?

 フィリピンにやってきて最初にびっくりするのが、街中いたるところにショットガンを構えて立っているセキュリティガードの存在だ。このことが、”フィリピンは危険”というイメージを助長していると思う。

 銀行やポーンショップ(質屋)、ホテルやコンドミニアムにセキュリティ・ガードは必須だ。それ以外にも、オフィスビルやデパート、レストランやコンビニなど、お金や人の集まるところには必ずいる。

 はたして、彼らが活躍するほどフィリピンでは犯罪が多発しているのだろうか。私にはとてもそうは思えない。彼らが銃を使う機会は一生に一度もないだろう。もともと犯罪がないのか、あるいは彼らの存在のおかげで犯罪が起きないのか、どちらかわからないが、フィリピンの風物ないし慣習といってよいかもしれない。

 慣れると彼らの存在ははなはだ重宝で、常にそこにいて出入りする人間を見張っていてくれるというのは、店の人、住人、客にとってはとても心強い。しかも彼らはテリトリーの中では警察権を持ち、逮捕ばかりか、場合によっては犯人を射殺することもできる私設の警察なのだ。

 昔、ちょっと事情があって私専用にボディガードを雇ったことがあったが、付かず離れず24時間守られているというのはなんとも心地良く、安心できるものだった。

セキュリティガードは味方にするべし

 セキュリティガード、運転手、シーマン(船員)は男の仕事の3羽ガラスといってもよい。一方、女性の仕事はメイド、ウエイトレス、セールスガール(売り子)、マッサージガール、GRO(ホステス)などと男よりずっと多い。オフィスや工場などでも男女の数は似たようなものだから、巷で所在なげにたむろしているのはほとんどが男だ。

 セキュリティガードたちは専門の会社に所属し、訓練を受けて、それぞれの依頼先に派遣される。これらの会社を経営しているのは国家警察幹部のOBが多く、元PRA(退職庁)長官のゼネラル・アグリパイも大きなセキュリティエージェントを経営し、マカティやグロリエッタのセキュリティガード派遣を一手に引き受けていたそうだ。

 自分の住んでいるコンドミニアムや定宿のホテル、行きつけのレストランやカラオケ、さらには銀行や両替屋にも必ずいるセキュリティガードだが、顔見知りになるとやけに愛想がよい。

 彼らはこちらの行動をいつも見守っており、熟知しているので、大いなる味方とするべきだ。テリトリー内では個人的なボディガードの役割さえも担ってくれるし、トラブルに巻き込まれたとき、顔見知りの彼らが味方をしてくれるのだ。

 そのためには、普段から彼らと仲良くしておくことが肝心だ。ホテルやコンドミニアムのガードならパンや飲み物を渡すとか(彼らはいつも腹をすかせているのだ)、行きつけのレストランやカラオケでは駐車案内の礼に50ペソ(約125円)程度のチップをやるとかすれば、こちらの顔を覚えて第一優先で面倒を見てくれる。

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