衆参ねじれ解消で長期政権へ。自民党が進める国策銘柄とは
昨年11月から始まったアベノミクス相場。日経平均株価が1万5000円を突破していく過程では、「日本株高は夏の参議院選挙まで」という声も上がっていた。しかし、参院選後の大胆な政策実現が見通せてきた今、ここへ来て新たなテーマが次々と浮上している。アベノミクス第2幕が始まり、日経平均は二番天井に向かう!


東京都議会選挙では、自民・公明の政権与党の立候補者が全員当選するという圧倒的な展開となった。今回の都議会選は7月に開催される参院選の前哨戦ともみられていたことで、この流れそのままに参院選では自公が過半数を獲得する公算が大きい。

そこで、衆参のねじれ解消に伴い、向こう3年間は国政選挙のない安倍長期政権がスタートすることと想定。長期政権樹立を受けて、日本株の中長期的な上昇トレンドがあらめてスタートすると考える。

その要因のひとつに、1年単位で国の指導者が変わる政治リスクを嫌気して、日本株を買い控えていた外国人投資家の参戦が期待できる。昨年11月からの上昇相場を牽引していたのは外国人投資家で、足元の下落も彼らの裁定解消や利益確定の売りがきっかけ。日本株がダイナミックに動く背景には、必ずと言っていいほど海外勢の影がある。

5月以降の下落でいったんポジションを整理した外国人投資家が、安倍長期政権樹立をきっかけに積極的な買いを入れてくる可能性は高い。

こうした相場環境となれば、買いの対象となるのは代表的な日本株。とりわけ「TOPIXコア30」は日本株をさほど熟知していない投資家も買いの対象とする傾向が強いことから外せない存在だ。

ちなみに、第90代から第95代総理大臣まで6名の首相は、いずれも1年前後で総理の座を辞している。実はこの第90代が現総理の安倍晋三氏である。安倍総理からすると、自分の代から続いている日本のあしき短期政権の伝統を自分の代で終わらせたいという意気込みもあるだろう。



安倍長期政権発足で注目の10銘柄

商船三井(東1・9104)
株価  :401円
売買単位:1000株
PER  :9.6倍
PBR  :0.90倍

業績、株価ともにきつい状況だったが、LNG関連の需要拡大が業績回復の大きなポイントに。株価は割安とみる。

ファーストリテイリング(東1・9983)
株価  :3万6800円
売買単位:100株
PER  :42.6倍
PBR  :7.48倍

業績も注目だが、同社は日経平均への指数インパクトの大きさから裁定取引やインデックスに絡んだ売買による影響が大きい。

トヨタ自動車(東1・7203)
株価  :6250円
売買単位:100株
PER  :15.7倍
PBR  :1.77倍

日本企業のシンボル的存在。円安推移で一気に業績は上伸した。想定為替レートは1ドル=90円で業績上ブレ余地は十分。

日本取引所グループ(東1・8697)
株価  :1万1220円
売買単位:100株
PER  :47.3倍
PBR  :3.48倍

7月には現物市場の東証・大証の統合が実施された。日本株の取引場所とのことで外国人投資家の思惑的な動きも入りやすい。

丸紅(東1・8002)
株価  :702円
売買単位:100株
PER  :5.8倍
PBR  :1.07倍

TPP(環太平洋経済連携協定)に絡み農業関連に強みを持つ商社として注目。他の業種からすると商社セクターはそろって割安との見方も。

オリエンタルランド(東1・4661)
株価  :1万5850円
売買単位:100株
PER  :27.5倍
PBR  :3.33倍

高い収益性を誇る東京ディズニーランドを運営。今年は開園30周年というイベントがあることで、年間来場者数は更新か。

野村ホールディングス(東1・8604)
株価  :789円
売買単位:100株
PER  :16.3倍
PBR  :1.31倍

国内大手証券ということで注目度は高い。景気回復によるダイナミックな資金の流れによる恩恵を享受しそうだ。

ソフトバンク(東1・9984)
株価  :5680円
売買単位:100株
PER  :14.5倍
PBR  :4.34倍

米国企業の買収で新たな事業展開に。米国クリアワイヤが豊富に保有する周波数を手に入れたことで米国での業務拡大に期待。

セブン&アイ・ホールディングス(東1・3382)
株価  :3775円
売買単位:100株
PER  :19.6倍
PBR  :1.76倍

プライベートブランド商品を武器に最高益を連続更新。懸念されていた百貨店事業も、個人の消費意欲向上など追い風が吹く環境に。

三菱地所(東1・8802)
株価  :2742円
売買単位:1000株
PER  :65.7倍
PBR  :3.07倍

アベノミクスによる地価上昇の恩恵を享受。4月の異次元緩和発表後は、株価は売り優勢だが押し目狙いで。

※株価などのデータは2013年7月8日現在。

田代昌之(MASAYUKI TASHIRO)
フィスコ アナリスト

新光証券(現・みずほ証券)、外資系銀行、生保を経て2012年にフィスコ入社。先物・オプション市場を中心に分析するテクニカルアナリスト。『ネットマネー』と『夕刊フジ』の共同企画「株―1グランプリ」6月チャンピオン。


この記事は「WEBネットマネー2013年9月号」に掲載されたものです。