ジェラルド・バトラーも監督のイタリア的なセンスの良さを称賛する/[c]2011 PLAYING PRODUCTION INC.

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落ちぶれた元サッカー選手が、愛する家族を取り戻すため奮闘するヒューマンドラマ『スマイル、アゲイン』(8月17日公開)。本作でメガホンを取ったイタリアの名匠ガブリエレ・ムッチーノ監督が、ハリウッド進出とその成功について語ってくれた。

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ムッチーノといえば、もともとイタリアでは著名な監督で、ハリウッド進出前に手がけた『最後のキス』(01)は、本国のアカデミー賞と言われる2001年ダビッド・ディ・ドナテッロ賞の監督賞ほか5部門を受賞。同作は2002年サンダンス映画祭の観客賞も受賞し、アメリカでリメイクされるなど、監督の名が国際的に知れ渡るきっかけに。そして、ウィル・スミス親子を主演に迎えた『幸せのちから』(06)で満を持してハリウッドデビューすると、リアルな父子の姿が感動を呼び大ヒットを記録。その後、再びウィル・スミスを主演に据えた『7つの贈り物』(08)を発表するなど、いまハリウッドで勢いに乗る映画監督のひとりなのだ。

ムッチーノ監督にハリウッドでの成功について聞くと、「イタリアで撮る方が楽だけど、ハリウッドも悪くないね」と気さくに本音を吐露。「映画製作のシステムがヨーロッパとはまったく異なっていて重圧も大きいよ。緊張を強いられるが、その分とても刺激的だ」とハリウッドの映画業界を客観的な視点で捉えている。その上で「これまでイタリア人の監督はハリウッドで成功してない。だからこそやる気にさせられるんだ。そこで自分がどこまで行けるか試してみたいしね」と意欲をのぞかせた。

これまでムッチーノ監督は、人生に行き詰った不器用な人間の葛藤を丁寧かつ軽妙なタッチで描いてきた。監督は『スマイル、アゲイン』について「よき父になろうと必死にあがく男の姿や波乱の道のりを描こうと思ったんだ。主人公は少年サッカーチームのコーチを引き受けたせいで騒動に巻き込まれる一方、息子との絆を取り戻すためにその証を示そうとするんだ」と解説する。

主演のジェラルド・バトラーは「この映画では登場人物の誰もが自分の気持ちに正直に行動するんだ。だから、おかしくて悲劇的で感動させられる。その点が実にイタリア的だと思うよ」と話し、イタリア人監督ならではのセンスを感じ取ったようだ。また、本作に出演したユマ・サーマンはムッチーノ監督の大ファン。「監督の作品は大好きだから楽しみにしていたの。彼の手法は長回しで一気に撮って個別のアップなどは撮らないわ。場面のすべてを理解した上で細部を構成するのよ」と称賛し、「彼以外でそんなことが出来るのはウディ・アレンだけだと思うわ」というコメントも残している。

本作の主人公と同様に、ムッチーノ監督の逆境に立ち向かうチャレンジ精神がハリウッドで成功を収めたカギなのかもしれない。世界から信頼を寄せられるムッチーノ監督の神髄が詰まった最新作を、ぜひスクリーンで確認してほしい。【Movie Walker】