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家族や恋愛、お金や仕事など、日常における悩みは多いもの。ここでは、心理学者の平松隆円さんがマイナビニュースのQ&Aコーナーに寄せられた悩みにお答えします。

今回のお悩みタイトルは、「メシマズ嫁の夫です。ドブネズミのから揚げを出されました。もう限界です」です。

■質問

メシマズ嫁の夫です。ドブネズミのから揚げを出されました。もう限界です。とてもかわいくて、やさしくて、僕のことを心から愛してくれている嫁さんです。僕も彼女のことを愛しています。

でも死ぬほど料理が下手くそです。食あたりで、結婚してから3年、もう18回も病院に運ばれました。このことを理由に離婚してもよいものでしょうか?

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■回答

料理だけが問題なら、あなたがつくりましょう!嫌なら、外に食べに行けばいい。

食べ物って、SMAPの歌詞じゃないですが、生まれ育った環境や両親のし好、そしてそのひとの好みなどが影響するので、味覚が一緒って難しいんですよね。恋人とのあいだで、「卵焼きは、甘いかしょっぱいか」でケンカになるという話があるくらいですから。

さて、「ドブネズミのから揚げ」…、カットしない鶏肉だったのでしょうか。いやいや、アジアのなかには本当に「ネズミ」を食べる文化もありますので、本当に料理したのだけれど、美味しくなかったんですね。

かわいくて、優しくて、愛してくれているのだけど、料理が下手なことが欠点。その唯一の欠点を理由に離婚を考えているようですが、離婚なんてする必要ありません。だって、彼女が料理が下手なら、あなたがつくればいいだけの話です。料理は誰でもできますが、美味しくつくれるかどうかは別ですよね。ましてや、自分の好みの味の料理をつくってくれるなんて奇跡的なことです。

「働いているんだから、料理の時間なんて無い」と反論されるかもしれません。ですが、女性だって働いているのだし、結婚したら女性が料理をしないといけないなんて決まっていないんです。世の女性たちは、仕事で疲れていても、愛する彼のために料理をしているんです。だから、男性だってできるはず。

もし、自分も料理がヘタだからとか(それなら、彼女の料理ヘタを責めてはいけないと思いますが)、そうしても時間がないというのであれば、一緒に外に食べに行けばいいだけの話じゃないですか。もし、エアコンの掃除や下水管の掃除をやってと頼まれたのならどうしますか。自分でやるのが嫌だとして、それを代行してくれる業者があれば、思わず頼んじゃいますよね。彼女に任せられない、それでいて自分もしたくないというなら、第三者に頼むしか無いわけです。

「そんな、毎日外食ばかりできるほど生活費に余裕がない!」というのであれば、がんばって稼ぎましょう。あなたが彼女を愛しているなら、稼げます。稼げないというなら、我慢して彼女の料理を食べましょう。今まで18回も病院に運ばれたようですが、死にかけるよりは外食した方が安くつきますよ。でも、結婚して3年たっても平気ということは、不味いだけでカラダには害がないのかも知れませんね。

(イラスト: のでこ)

○著者プロフィール

平松隆円…化粧心理学者 / 大学教員

1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響を呼んだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。

(平松隆円)