メイド・イン・ジャパンは今も強し。技術の輸出と原発再稼働で見直される
昨年11月から始まったアベノミクス相場。日経平均株価が1万5000円を突破していく過程では、「日本株高は夏の参議院選挙まで」という声も上がっていた。しかし、参院選後の大胆な政策実現が見通せてきた今、ここへ来て新たなテーマが次々と浮上している。アベノミクス第2幕が始まり、日経平均は二番天井に向かう!


まず最初に、一市民としての私は「原発再稼働」には反対の立場だということを強調しておきたい。しかし、それでも原発は現実的に存在しており、今の状況では、猛暑がやって来ると電力不足がマクロ経済を脅かすのも事実だと認識している。ほとんどの原発が稼働していない中で、電力会社が巨額の赤字を計上しているのも事実だ。

自民党は参院選の公約の中で「国が責任を持って、安全と判断された原発の再稼働は、地元自治体の理解を得る最大限の努力をする」としている。これ以前、2012年の衆院選では「原発再稼働の可否は順次判断し、すべての原発について3年以内の結論を目指す」としていた。

どう読んでも原発再稼働の動きは進展するものと考えられる。誰がメリットを受けるのか?

一番は電力会社にほかならない。火力発電燃料の値上がり分の値上げと原発再稼働は電力会社の黒字転換に大きく寄与する。また黒字転換は復配も意味することから、電力株にとってポジティブとなるだろう(東京電力と沖縄電力を除く)。投資家としては割り切って取り組みたい。

このほかでは、安倍政権になってから海外への原発売り込みの動きが急になっている。特にゴールデンウイークの外遊での動きは活発だった。サウジアラビアと原子力協定の締結交渉入りに向けた協議開始で合意し、UAE(アラブ首長国連邦)、トルコと原子力協定を締結した。6月にはポーランド、ハンガリーなどの東欧諸国へも原発設備の日本企業への発注を呼びかけている。そのたびに原発関連株には動きも見られる。



原発再稼働と海外への原発輸出関連で狙う10銘柄

北海道電力(東1・9509)
株価  :1399円
売買単位:100株
PER  :ー倍
PBR  :1.68倍

泊原発1〜3号機は「最も再稼働がスムーズな原発」とされている。さらに、3機同時の再稼働も視野に。

関西電力(東1・9503)
株価  :1404円
売買単位:100株
PER  :ー倍
PBR  :1.04倍

原発依存度が高いことから株価が反応しやすい銘柄。しかし、高経年化原発や活断層が疑われる原発も多く、注意が必要だ。

四国電力(東1・9507)
株価  :1845円
売買単位:100株
PER  :ー倍
PBR  :1.44倍

原発依存度が高い。伊方原発3号機は早期再稼働が見込まれる。2015年3月期以降の1株当たり利益が高水準。

東北電力(東1・9506)
株価  :1266円
売買単位:100株
PER  :ー倍
PBR  :1.31倍

値上げの実施と原町火力発電所の復旧再開だけで、今2014年3月期以降の黒字化を見込む。復配は電力各社で最速か。

中部電力(東1・9502)
株価  :1443円
売買単位:100株
PER  :ー倍
PBR  :0.75倍

浜岡原発3・4号機のフィルター付きベントの設置は、2015年3月末までかかりそう。設置が早まればポジティブ材料に。

日本製鋼所(東1・5631)
株価  :583円
売買単位:1000株
PER  :43.3倍
PBR  :1.62倍

大型鋳造鋼で世界的企業。特に原発向けの製品が収益の柱。原発輸出は原子炉圧力容器部材などの急増につながる。

木村化工機(東1・6378)
株価  :667円
売買単位:100株
PER  :44.3倍
PBR  :1.93倍

化学プラント企業ながら原発関連機器も多く手がける。原発関連株において、値動きの軽さも魅力的だ。

三菱重工業(東1・7011)
株価  :608円
売買単位:1000株
PER  :20.5倍
PBR  :1.48倍

原子力発電プラントの基本的な設計から建設まで関わる。トルコ首相も「技術力を評価する」とコメントしている。

東芝(東1・6502)
株価  :482円
売買単位:1000株
PER  :20.4倍
PBR  :1.97倍

2006年に米国原子力発電大手のウェスチングハウスを買収。米国(2008年)、中国(2009年)で次々に原発を受注。

太平電業(東1・1968)
株価  :688円
売買単位:1000株
PER  :27.4倍
PBR  :0.53倍

発電所を中心とするプラント工事会社。1958年以降、日本で建設された原発の約70%に参加。足元の株価は堅調。

※株価などのデータは2013年7月8日現在。

天海源一郎(GENICHIRO TENKAI)
株式ジャーナリスト

関西大学卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)に入社。株式市況アナウンサーやディレクターとして、個人投資家向けの情報番組をプロデュース。2004年に独立し、株式ジャーナリストとして活躍。



この記事は「WEBネットマネー2013年9月号」に掲載されたものです。