参院選で惨敗した民主党が、案の定、混乱に陥っています。

 海江田代表は、東京選挙区で公認を取り消した候補者を支援したとして菅元首相に離党を求めたものの断わられ、「尖閣を(日本が)盗んだと中国が思ったとしても仕方がない」と発言した鳩山元首相に“強力抗議”したところ、「歴史には忠実に振る舞わないといけない」と逆に説教されるあり様です。

 民主党はもともと、鳩山氏が私財を投じ、菅氏の知名度と小沢氏(生活の党代表)の豪腕を得て、「政権交代可能な政党をつくる」という理念のもとに結党されました。ところが小沢氏は消費税増税問題で党を離れ、鳩山氏は先の衆院選で出馬を断念し、さらに菅氏まで除名してしまうと、“創業者”全員を追い出すことになってしまいます。

 会社でも政党でも、創設時の理念が組織のアイデンティティをかたちづくります。もちろん、権力闘争によって中枢にいたメンバーが追い落とされることはあるでしょう。しかしレーニンの死後、スターリンもトロツキーもみんな粛清してしまえば革命の正統性は失われ、マイクロソフトからビル・ゲイツを排除すれば別の会社になってしまいます。民主党を生み出したトロイカ(3人組)を全員追放してしまったら、そのあとにはいったい何が残るのでしょうか?

 政権奪取の悲願を達成した民主党の最大の失敗は、自民党(とりわけ小泉政権)時代を全否定したことです。それなりに機能していた官邸主導の仕組みをことごとく廃止したために行政機構を統治できず、マニフェストの数字にしばられて身動きがとれなくなっていく様は、政権交代に期待していた有権者を絶望させるにじゅうぶんでした。そしていま、2回の選挙に大敗したことで自らの過去と出自を全否定しようとしています。

 このように考えると、民主党の行動原理の特徴は「リセット」にありそうです。

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