4号店【撮影/金伸行】

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お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子で、2005年より中国四川省成都に在住。日本生まれの韓国人で、現在はグループ会社3社の社長兼取締役を勤める金さんと、焼肉店「牛牛福」との9年間にわたる格闘の日々の記録。最終回の第9回は、事業内容の改善で売上は新記録を達成。邱先生に突きつけられた次なる課題とは? 試練はまだまだつづく……。

第1回「邱永漢氏に出会い、現職を投げ打って成都行きを決めるまで」はこちら

第2回「ホテル事業を夢見て成都に渡った3日後に告げられた事実とは」はこちら

第3回「焼肉店改行準備で体験した、パソコン購入のための中国式交渉術」はこちら

第4回「開店に向けての市場分析と、人事・料理長・店長の人事問題」はこちら

第5回「事業立ち上げで直面したワイロ大国の実態」はこちら

第6回「感動の1号店オープン! 大盛況の3日後から突然……」はこちら

第7回「中国人にとって、価格の割引は面子の問題!?」はこちら

第8回「問題点の解決に乗り出した矢先、資金繰りが!!」はこちら


 2006年5月1日から、売上不振打開の秘密兵器である「新メニュー」がスタートしました。

 初日は、私自身そわそわする気持ちでいっぱいでした。なんだか、店をもう一度オープンしたような気持ちです。

 初日からそんな大きな変化があるわけはないのですが、それでも店に立ちお客さんの様子をじっと見つめていました。

ついに売上新記録達成!

 営業後は店長とミーティングを行ない、「お客さんの反応どうだった?」と確認しました。

 予想どおり、「食べるものの幅が増えた」「選びやすくなった」「わかりやすくなった」「おいしくなった」(!?)という前向きな声をたくさんもらいました。

 時を同じくして、封印していた広告宣伝も開始しました。準備ができていない店をお客さんに紹介しても意味がない。でも、今なら自分たちを紹介しても恥ずかしくない。ここで手を打たずにいつやる――。思い切ってなけなしの資金を振り絞り、テレビ広告を打ちました。

 5月も中旬に差し掛かるころ、効果は目に見えて現われはじめました。これまで一度も達したことのなかった売上の新記録がポツリ、ポツリと出るようになったのです。

 忘れもしない5月28日、オープン以降初めて売上が1万元(約15万円)を超えたのです! その日の夜、売上レポートをメールで受け取った後、目にしたことのない桁数に入力間違いだと勘違いして、店に電話して「おい、こんな多いわけないだろっ!」と問い詰めたのをよく覚えています。

 その後、週末はお客さんの数が目に見えて増えていきました。オープン以来、従業員の数がお客さんの数を上回る日々が続きました。しかしいまや、1日に3桁を超えるお客さまが来るようになったのです。

 ホールからあふれんばかりのお客さまの姿を見ながら、またもや不覚にも目頭が熱くなりました。

 過去数カ月、相当数に上る従業員が、「営業不振」や「企業として前途がない」という理由で会社を去っていきました。その一方で、私のやり方を信じ、ついてきてくれた従業員もたくさんいました。

 私の厳しい要求にこたえてくれた従業員と、周囲になにもないこんなところにわざわざ食事に来てくれるお客さまを見て、感激ひとしおだったのです。

 この月を境に、売り上げは右肩上がりに上がっていきました。

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