【ミリタリー魂】第45戦 声優護衛艦「やまゆき」一般公開イベントに突撃!

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No5.「整列休め」のお茶ミリタリーな話題をマニア目線でお届けしている、鉄砲蔵の「ミリタリー魂」。

今回は2013年7月20日(土)〜21日(日)に晴海ふ頭で行われた、護衛艦「やまゆき」の一般公開の様子をご紹介。ネット上で知り合った友人に誘われ「ガンマニアに有用な情報もありそうだ」との好奇心で向かってみました。

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No1.会場の「やまゆき」


会場付近の晴海埠頭バス停で友人と待ち合わせ、そこから10分ほど歩いたら、見えてきました。声優護衛艦「やまゆき」。
この護衛艦「やまゆき」は数々のアニメの声優さんを一日艦長として招いており、「ガールズ&パンツァー」の声優さんを勤めた尾崎真実さんやミリタリーファンとして知られる上坂すみれさん、サバイバルゲーム好きで知られる清水愛さんが過去に招かれた実績があります。

No2.自衛隊ゆるキャラNo3.自衛隊ゆるキャラトウチくん

200m四方くらいの土地が会場となり、売店が立ち並ぶ中に入ってまず目に飛び込んできたのはサイの顔をした自衛隊埼玉地方協力本部の「サイポンくん」と東京地方協力本部のゆるキャラ鳩の「トウチくん」。当日の気温はすでに30度を越えており、僕も遊園地で着ぐるみを着てアルバイトをした経験があるので、中の人も暑いのでは?なんて心配になりました。加えて聞いてみました。
「小さな穴から前を見て歩いているのではないですか?真正面しか見えないのでは?」
すると身振り手振りで教えてくれました。一見飾りに見える目玉の部分、半透明になっていて、意外に視野は広いとか。

No5.「整列休め」のお茶

そして現地売店で売っていた緑茶も「整列休め」。気合い入った名前のお茶です。着ぐるみの人にも暑い中、あまり無理しないように、と伝えて館内見学に移ります。

 
艦上のヘリポートにて、特殊警備隊の装備展示。
海上自衛隊の特殊警備隊は日本国領海内に進入した不審船に乗り込み、武器や麻薬など違法な密輸品がないか検査、場合によっては敵船内での戦闘も行います。
彼らの装備で印象的だったのは防弾ベスト。胸から腹にかけて胴体の一部にのみ防弾用のセラミックプレートがあり、肩の部分に浮力材としてポリ塩化ビニール製の発泡スチロールのようなものが入っている構造となっておりました。

No6.特殊警備隊の装備

この防弾ベスト、陸上自衛隊やアメリカ陸軍のものより軽量にできており、もし海に落ちてもライフジャケットのように浮く構造だそうです。
さらに意外だったのは隊員の方が僕にも馴染み深い東京マルイ製エアーガンのベレッタ92Fをお持ちだったこと。

No7.官給品のマルイベレッタ

このエアーガン、自衛隊から支給された官給品ですが、これは普通の玩具屋やモデルガンショップでも売っているもので、特に自衛隊向けに特殊な改良を施したものではないそうです。

「YMY-18」と白ペンキで書いてあるのは「”やまゆき”の官給品18番」という意味だそうです。この銃を発射して射撃訓練をするわけではなく、射撃姿勢の訓練のみに使用するそうです。また実際の戦闘でベレッタを使っているわけでもなく、旧西ドイツ製シグザウエルP220を所々改良して日本のミネベアという会社で生産したものを使用しているとのこと。

No8.消防服1No9.消防服2

次には消防服の試着。2つのタイプとも、当然のことながら暑い!
お話を伺うと、消防隊の方でも30分ほどでバテそうなくらい体力を消耗するとか。でも火に焼かれるよりマシだからと我慢、だそうです。
消防隊員の方のご苦労が忍ばれます。

No10.ガンラック

次に艦内に配備されている64式小銃のガンラックを拝見。いかにも手入れが丁寧になされている様子で、整然とならんでいます。
この64式に関してはサバイバルゲームで時々お見かけする自衛官の方に伺い、ある方はよく銃弾が中で引っかかって故障するといい、またある方は故障など一回も経験したことはない。あれは命中精度もいいし、信頼できる銃だとおっしゃって、おたずねする自衛官の方によって評価は様々でした。
ここでも64式の信頼性についておたずねしたところ、やはりよく弾が送られなくなることがおおいそうです。
しかしよくよく詳しく話をうかがってみると、使っておられたのは初期に生産された型の古い64式小銃で、使い古されていて部品の消耗したもののようでした。
銃に限らずどのような機械でも作られて以降、使用されている現場の意見を聞き入れながら改良を重ねて次の分を生産、そうやって信頼性を増してゆくもの。
初期生産分を手にした自衛官には不評だったものの、今はすでに改良済み、ということですね。
またこことは別に習志野駐屯地で聞いてきたことがあります。64式は通常の銃弾より半分に火薬を減らしたものを使用しており、そうしないと破損してしまう、という噂を聞いたことがありますが、実は外国の銃と同じちゃんとした銃弾を使用しているそうです。
噂ってアテになりませんね。

No11.一日艦長就任式

さて、今回は元宝塚歌劇団で現在舞台女優として活躍する南海まり(=みなみ まり)さんが一日艦長に就任。海上自衛官の真っ白な制服が印象的でした。

そこで現役の海上自衛官の方に質問してみました。
「船の上というのは真水が貴重品ですよね。汚れっぽい船内活動の中、いかにして清潔を保っているのでしょうか?」
「特に自衛隊向けに開発された洗剤というものはなく、民間向けの襟袖用洗剤でこまめに手洗いです。航海中は真水が貴重品の為、洗濯機は使えません、ただひたすらに手洗いです。でも港に寄港した際は洗濯機を使います。」

サバイバルゲームの現場では欧米の銃や装備より信頼性の劣るという噂の聞く自衛隊の装備、今回の取材でかなり改善が進んでいることがわかりました。

また最近の自衛隊、映画「戦国自衛隊」シリーズや「ゴジラ」シリーズの撮影協力、今回のようなイベントにおける自衛隊関連の商品販売、ゆるキャラ登場といい、宝塚女優や声優の一日艦長就任と色々民間に対して民間の支持を得ようとユーモラスな広報活動をしてくれています。
「どうか自衛隊の存在に反対しないでね。」というメッセイーを送っているかのようです。

こういった活動を見ていて最近思うのですが、非武装中立というのは、秩序維持のために実力を行使してくれる勢力が他にいて初めて可能な話。日本が国際社会で貿易して生きてゆくためには、例えば貿易航路上のソマリアにおける海賊問題など、防衛力行使も必要な場合があるのでは?
やはり自衛隊、国民の危機には必要な存在でしょう。

また上記の64式小銃のような勘違いをしないためにも、みなさん、もっと自衛隊のイベントに参加して大いに楽しみましょう。

▼海上自衛隊
http://www.mod.go.jp/msdf/index.html

▼晴海埠頭
http://www.tptc.co.jp/tabid/387/Default.aspx

(文・写真:鉄砲蔵)