■建設・土木関連の出遅れ銘柄を探す

 アベノミクス関連であえてテーマとしてくくるとすれば、10年間で200兆円規模の公共投資が想定される「国土強靱化政策」に関連する銘柄は、まだまだ注目していいと思います。

 東日本大震災の被災地の復興や老朽化したインフラの整備、国土の防災・減災に向けて、巨額のカネが長期間にわたり日本列島に投じられるのは間違いない。個人投資家や機関投資家にとっては非常にわかりやすいテーマでしょう。

 それだけに建設・土木関連セクターでは、国土強靱化事業への期待感からすでに株価が大きく上昇している銘柄が少なくありません。しかし、好業績が見込まれるのに、出遅れている割安なままの株はたくさんあります。

 大化け期待が高い株としてまず挙げたいのが、ダムやトンネルに強い安藤・間。今年4月に安藤建設と間組が合併してスタートした同社ですが、現在、大手の建設会社と比べてとても財務内容がいい。にもかかわらず、ほかの大手建設株と比較して非常に割安です。純資産や余剰金、利益の変化率も高く、期待できます。

 道路舗装を手がけるアスファルト乳剤最大手の東亜道路工業も有望です。政府方針の高速道路補修事業強化の動きは同社にとって追い風ですが、まだ割安の水準にとどまっています。

 それから、業績を伸ばしている地盤調査・改良が専門のサムシングホールディングスにも目を向けたい。大震災で液状化に見舞われた千葉県浦安市の建物の傾きを、正常な状態に戻す沈下修正工事も手がけた同社は、液状化対策のニーズの高まりから今後もっと評価される銘柄でしょう。

■水銀灯の使用禁止で業績を拡大させる?

 インフラ整備は建設事業だけではありません。配電用ポール最大手の日本コンクリート工業もおもしろいのですが、最も注目しているのが最後に紹介する銘柄。

 水俣病の原因にもなった水銀による健康被害を防ぐため、水銀を使用した製品の製造・輸出入を規制する「水俣条約」が今年10月にも採択されます。水銀灯は段階的に廃止され、これが業績につながりそうなのが鉄道電気工事トップの日本電設工業。日本中の駅構内や線路脇などではいまだ多くの水銀灯が使われており、その代替工事やメンテナンスを手がける同社は大きく化ける可能性がある。JR東日本が筆頭株主ですが、日本各地からの受注も見込めます。

前 一明氏

投資顧問会社代表 前 一明氏

1965年生まれ。第一證券を経て、投資顧問会社であるファーストメイク・リミテッドの投資顧問部長に就任。05年から代表。企業分析、実力銘柄の発掘に定評。

【前さんの推奨銘柄】

銘柄/コード株価最低購入価格概況
サムシングホールディングス
(JQ・1408)
10万4400円10万4400円地盤専門企業。主に住宅向け地盤改良工事、地盤保証事業などを展開する。住宅向けの地盤調査や家屋沈下修正工事も実施。
安藤・間
(東1・1719)
231円2万3100円大型ダムやトンネルなど土木分野に定評がある間組と、建築分野に強い安藤建設が合併。土木建築工事を幅広く行なう。
東亜道路工業
(東1・1882)
516円51万6000円独立系の道路舗装大手。アスファルト乳剤では国内トップシェア。13年3月期の通期予想決算を上方修正している。
日本電設工業
(東1・1950)
1073円107万3000円鉄道電気工事首位。鉄道の電気設備の設計から施工、メンテナンスまでを手がける。北陸整備新幹線工事にも参画。
日本コンクリート工業
(東1・5269)
320円32万0000円創業65年を迎える。高シェアを誇る配電線路用、通信線路用のポールなどを筆頭に、様々なコンクリート製品を取り扱う。

※「東1」は東証1部、「大1」は大証1部、「マ」は東証マザーズ、「JQ」はジャスダック市場の略。取引に際しては最新の情報を十分にチェックしたうえで、自己責任で行なってください。
※株価などのデータは4月26日時点。