『徳井義実のチャックおろさせて〜や -夏の催し-』
『徳井義実のチャックおろさせて〜や -夏の催し-』

「テレビはつまらない」という妄信を一刀両断! テレビウォッチャー・てれびのスキマが、今見るべき本当に面白いテレビ番組をご紹介。

「テレビに活気が戻ってきたね!」

 業界をざわつかせ、各方面からお叱りを受け、早くも伝説になったと思われた番組『徳井義実のチャックおろさせて〜や』が、反省もそこそこに帰ってきた。

 司会のチュートリアル徳井には「冠の名前つけていただいてうれしいけど、ちょっとイヤ」と言わしめ、レギュラー出演する吉本新喜劇のすっちーが、前回「興奮しすぎて翌日の新喜劇に遅刻」し、1カ月の謹慎処分となってしまったというほどの番組とは一体どんなものだったのか。

 『徳井義実のチャックおろさせて〜や』はBSスカパー!で無料放送されている番組で、2013年3月に「春の催し」として初めて放送された。司会は前述の通り、チュートリアル徳井。レギュラーには、徳井と共に吉本の「エロ三羽烏」として知られるランディーズ中川とすっちー。それに加え、レイザーラモンRGを配した盤石の態勢。そしてアシスタントには「事務所にだまされて連れてこられた」と疑われるほど、その場にそぐわない正統派アイドルの高部あい。

 番組ではRGが、「スカパー!アダルト放送大賞 2013」に出演したAV女優たちに密着取材し、それがまさかの感動VTRに仕上がっていたりしたが、この日、出色だったのはなんといっても、ある芸人の究極のチャレンジ企画だろう。

 それは「はじめてのアナル」。真正のアナルバージンの男性がアナル性感を初体験し、射精に至るまでのドキュメントを撮ろうという、もはやAVとなんの遜色もない企画だ。

 挑戦者に選ばれたのは、「えんにち」のアイパー滝沢。「大きな栗の木の下で」の節で「大きな組の下っ端で、杯かわし、仲良く運び出す。大きな箱の白い……ホンホン♪」などと歌う極道ネタでおなじみの芸人だ。企画内容を知らされたアイパーは、移動中のロケ車の中で、なぜか母親に電話で報告するほど動揺していた。

 そして、ついにアナル性感のカリスマと対面し、一糸まとわぬ姿で体を洗われるアイパー。スタジオの芸人たちからは「一体なんの映像なんだ!」と爆笑が起こる中、アイパーは動揺が続いているのか、逆にリラックスしすぎたのか、カメラの前で放尿までしてしまうのだった。

 初めてのアナルにもかかわらず、アナル性感のカリスマならではの丁寧な指入れで、すぐに「先生、イカしてください」「おかしくしてほしいです」と口走るアナルポテンシャルを見せるアイパーは「もっと太いのを」求めるまでになる。しかし「芸人なのか男優なのか」という葛藤が頭の隅をかすめ、結局射精には至らなかった。しかしこの企画は、人間のある部分での“成長”を刻一刻と見せつける、下劣で上質なドキュメンタリーに仕上がっていた。

 VTRを見終わった高部あいは、顔を赤らめながら言うのだ。

「死ぬまでに1回は挿れてみます……」

 そんな「春の催し」から数カ月。『チャックおろさせて〜や』はその過激さを物語るようにしれっとアシスタントを替えて、「夏の催し」(※8月10日深夜に再放送予定)として第2弾が放送された。

 レイザーラモンRGの「純粋にセックスを求めている女性と出会えるのか?」を検証したテレクラロケは、前述の「はじめてのアナル」に勝るとも劣らないハイクオリティのエロドキュメンタリーだったが、さらにその印象をも吹き飛ばすようなものすごい企画が用意されていた。それが「ぽこ×たて」だ。

 相反する「絶対に○○なもの」同士を戦わせて決着をつける、というどこかで聞いたことがある企画だが、前回の「絶対イカない女 vs 絶対にイカせる電マ」に続く新たな絶頂対決は「絶対にイカせる男 vs 絶対にイカない男」。「絶対にイカない男」として登場したのは「射精のタイミングを自由自在にコントロールできる」AV男優の沢井亮。沢井は「AV男優は、僕を含め99%が早漏の人なんですよ」と独自の理論を展開する。

「AVの撮影では、監督がキューを出して射精するわけですよね。AV男優になるためにはイメージトレーニングや呼吸法、そういうトレーニングを積み重ねて、いつどこでも射精が可能なイク特殊能力を身につけました」

 フェラチオだったら100%イカないと豪語する沢井は、前哨戦として、人気ナンバー1のデリヘル嬢と対戦。フェラが得意のデリヘル嬢の口撃を90分受け続けても、最後までイクことはなかった。

 その沢井をイカせる相手として選ばれたのは、男だった。新宿2丁目でコレステロールという店を営むタクヤは、ぽっちゃりしたヒゲ面のゲイで、「リピーターは多い。どんな遅漏の人でも絶対イカせている」と胸を張る。「のど輪締め」という、モノを喉の奥まで含んでぎゅっと締める尺八奥義で、沢井に挑戦を挑む。

 ついに対面した、絶対にイカせる男と絶対にイカない男。

 沢井はタクヤの丸々とした風貌を見て「勃たせることも無理だと思う」と笑いをこらえているが、タクヤは「女のアソコより気持ちいい」と微笑む。

「AV男優をプロでやっているので。タクヤさんは趣味ですよね?」と沢井が挑発すれば、タクヤは「本気でやってます! 仕事と本気はちょっと違う」と返す言葉の応酬。

「AV男優をナメてもらっては困る」
「私も本気で舐めているので」

 果たして、この対戦の結末はどうなるのか。対戦会場には、タクヤの口の奥から「ゴワッ、ゴワッ、ゴワ」と、聞いたことがないような吸引音が響き渡るのだった―――。

 地上波テレビでのエロ系番組は、視聴者の“良識”の抗議と自主規制によって、ほぼ死に絶えて久しい。一方でCSやBSのような衛星放送では、AVが普通に放送されていることもあり、女性の裸を使ったエロ企画はなかなか成功しないのが実情だ。そんな中登場したのが『チャックおろさせて〜や』だ。女性の裸を使った放送可能なエロはやり尽くした。ならば、男性の身も心も脱がしていく方向に活路を見だした。男芸人がアナルをさらし、ゲイがAV男優をイカせる。男が肉体的にも精神的にも丸裸になることで、エロと笑いが見たことのない境地で重なり合ったのだ。それは“勃ち笑い”必至の最高にサイテーなドキュメンタリーだった。
(文=てれびのスキマ)