■LIGを知ったきっかけ

Facebookで友人がある会社を訪問し、「こたつ暖かい」との投稿が。当時はまだ寒い新春で「社内にこたつ?」と思ったのが、コトのきっかけ。その会社の名前は、株式会社LIG。

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Webサイトを見てみると、どうやらWeb制作会社なのだが、自社サイトがトンデモない。社長が砂浜に埋められていたり、社員がウェブ上で嫁を募集していたり、広報担当が上半身裸にサングラスだったり。Twitterでフォローしてみて、こたつはまだありますか?と聞くと、そろそろ暑いのでしまいますとの返答。これは話を聞かねばと、取材を申し込んだ。

LIGがある場所は、東京都台東区。「ノック不要」と書かれた扉をくぐり抜けると、社員の方が出迎えてくれた。仕切りの無いオープンスペースで、壁には3年分のジャンプが並び、軽快な音楽が流れている。こう言ってはなんだが、ビルの外観や街とのギャップがすごいと感じた。

■企業合併で出来た新生LIG

今回取材をさせていただいたのは、社長の岩上貴洋氏(以下岩上氏)と、副社長の吉原ゴウ氏(以下ゴウ氏)。

社長の岩上氏は、もともと学生時代から起業志向で、IT企業にてアルバイト、その後、起業の勉強のためにネット系ベンチャーキャピタルに入社した。

そしていよいよ、LIGを設立したが、「今もそうなんですが、僕自身はウェブの制作技術はまったく無かったですね」と笑う。

技術のない岩上氏だったが、ネット系ベンチャーキャピタル時代にいろいろな会社を見て、Webマーケットやサービスの現状や知識はもっていた。そのため、提案営業はできた。そこで自分は営業に専念して、当時いたエンジニアとディレクターに制作はサポートしてもらう形式をとっていた。

しかし、創業初期の経営は苦しく、実家から送ってもらった米を社員に現物支給していた時期もあったと言う。その後方向性の違いから8人いた社員が、全員辞めてしまうという未曾有の危機に陥る。一人ぼっちになってしまった岩上氏に手をさしのべたのが、もともと協力関係で、別にWeb制作会社を経営していたゴウ氏だった。

ゴウ氏が経営している会社のオフィスに岩上氏が転がり込むような形で、オフィスシェアがスタート。その際、お互いの会社の足りない所を補い合う形で、協力体制を作っていった。

岩上氏にゴウ氏の印象を尋ねると、

「とにかくいい人だなあと思います。仕事をやる上で人はすごく大事で、他の会社からも誘いはありましたが、一緒にやるなら彼しかいないと決めていました。」

反対に、ゴウ氏は岩上氏について、どう思っていたのかと尋ねると、

ゴウ氏「一緒にいて非常に楽だなぁと感じました。なので、彼がオフィスに転がり込んできた時も、快く受け入れる事が出来ました。」

そして2012年1月、2年間のオフィスシェアを経て二つの会社は合併を果たす。

■役割分担が大切

――現在会社を経営する上での役割はどのようになっていますか?

ゴウ氏「合併する時に、それぞれの役割を決めて、岩上が社長になりました。彼は常に未来を向いて走り続けているタイプなので、組織作りや人をまとめるのが苦手。でも、その部分は僕ができる分野だったので、人事や管理系は僕がやることになった。役割分担が明確なので、対立したことはないですね。もちろん役割が違っても会社として目指す方向感覚は一緒です」

相互に足りないところがしっかりパズルのピースに収まったというのは、まさしくこのこと。Web関係の会社を何社か見ているが、技術系の役員が管理系(組織・人事など)を見るのは、比較的珍しい。大抵はトップの社長が会社の要である管理系は自分の手で握っておきたいと思うか、管理を統括する人間を置くことが多い。岩上氏はこの事について、

「LIGとしての意志決定は、ゴウ君を信頼した上で任せています。会社のブランディングも任せていますよ」と自然に語った。

■自社サイトをメディア化

Webサイトには岩上氏がゴウ氏の会社を敵対的買収したとかかれているが、実際の所は双方合意の上での円満合併だったようだ。

――LIGのオフィシャルサイトのアクセス数は、月間200万ほど。中小企業のサイトとしてはかなりの規模だが、どうして会社のサイトをメディア化しようと考えたのでしょうか。

ゴウ氏「昔から個人サイトで、面白動画を公開して笑いをとっていた。その発展で、会社合併の際に、LIGのWebサイトも、面白要素を入れたメディアとして大きくしたいと思ったんです。ただ、笑いが強すぎると、単なるお笑い会社と見られてしまうので、Web技術の記事もしっかりいれていこうとなった。社内で編集部も作って、半年かけてやっと形になってきたかなと思いますね。

当然、最初は社員から反発もありましたよ。ただでさえ忙しい業務に+αでしたから。でも自分の記事に読者からの反応がつくと、嬉しくなりますよね。そして、だんだん書くことが面白くなっていって、自分の技術を文章で表現できる力も強くなりましたね。これは実業でも大きな成果だった。社内でも技術情報を共有できるのも良かったですね」

――自社サイトをメディア化した事で何が変わったか。

岩上氏「問い合わせ件数は1年で5倍になりました。また、制作提案の段階でよくコンペになっていたのですが、最近ではコンペ案件がほぼ無くなりました。LIGにお願いしたい!と、直接お仕事を依頼されるケースが増えてきていると感じています。

また、サイトを作った後の運用についても、自社でメディアを運用している経験を活かしてサポート出来るのが最大の強みだと思っています。」

――仕事を受ける際に気をつけている事は

「とにかく人に尽くす。Webサイトを少しでも良くしようという心は絶対に忘れません。そうする事で信頼を勝ち取り、次の仕事につなげていくのが私達のやり方だと思っています。また、Web上でふざけた見え方をしている分、制作はしっかりと丁寧にやるというのも大切だと思っています。」

■「おもしろ」にこだわる自社サイト制作

――そもそも、どうしてこういった笑いを取り入れた見せ方をしているのでしょうか

ゴウ氏「単純に僕らは無駄なことが好きなんです。100%仕事をしていると、なにか、うずうずと無駄なことをしたくなる。確かに会社の公式サイトに、”おもしろ”は無駄かもしれません。

しかし自分たちが楽しんでやった事を世に出していく。それが、おもしろいと話題になれば、アクセス数があがり、LIGの知名度も上がって、最終的に仕事につながる。この循環を作っていく事が大切だと思っています」

――自社サイトをメディア化したいという要望が多いと伺いましたが

岩上氏「自社サイトをメディア化する事のメリットは皆様も感じていると思います。現在LIGでは、そういった自社サイトのメディア化のお手伝いをさせていただいていて、ウェブ制作の専門家としての技術はもちろんですが、自分たちがやってきて培ったノウハウを元に、それぞれの会社の魅力を常に発信していけるようなサイト作りを行なっています」

■楽しい社風には気を使いたい

両氏に聞くと、楽しい会社の雰囲気作りは社員がつくるものかなと考えているそうだ。

たとえば通常のWeb制作会社で置かれている技術資料や撮影資料の棚に、代わりに漫画本が並んでいる。これは、社員が自発的に持ち寄ったものらしく、「漫画は会話のきっかけになるし、顧客との話でも、そろえている漫画について話題になることがある」とのこと。

来訪時に感じたのだが、社員の整理整頓や、礼儀作法に対する意識は高い。来客はもちろん、宅配便の業者の人にも社長・副社長とも声を上げてあいさつする。この単純なことができていない会社が世の中で意外に多い。特に制作系・技術系の会社で、ここまで社員の接遇意識が高いのはなかなか無い。

社員応募についても、自社サイトから20人〜30人の応募があるとのこと。しかもメディアに社員がほとんど露出していて、どのような会社なのか理解してから来るので、ミスマッチが少なく、面接がやりやすい。

なお、LIGには社長面接はない。岩上氏は面接にはタッチしないようで、理由は、「みんないい人に見えちゃって、全員採用しちゃう」からだそうだ。

これからのLIGについても語っていただいたが、あえて掲載しない。どんなストーリーが描かれるのか、LIGサイト読者をはじめとして、みんなで想像するのも楽しいのではないか。


取材前は、果たして取材になるのだろうか不安だったが、結論としてLIGは、そこらにある会社よりも、数段上と思える、しっかりした考えと展望がある、「本当の会社」だった。

●株式会社LIG

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