【うちの本棚】177回 キューティーハニー/石川 賢(原作・永井 豪)

写真拡大

キューティーハニー「うちの本棚」、今回はダイナミック・プロつながりで石川 賢の『キューティーハニー』をご紹介いたします。

最初の単行本は若木書房の「コミックメイト」で刊行されましたが、異装版や発行日の謎のあるもの。うちの本棚にあるのは昭和51年2月1日発行の6刷。

【関連:176回 UFOロボ グレンダイザー/桜多吾作(原作・永井 豪)】

石川版キューティーハニー


本作品は、テレビアニメ『キューティーハニー』の放送に合わせて連載された石川 賢によるコミカライズ作品である。また若木書房版では「キューティー」ではなく、「キューティ」となっているのが特徴。ちなみに昭和54年にカバーイラストを変更した新装版が「初版」として再刊行されているが、オリジナルは今回掲載したもの(6刷ですが。さらに言えばこの6刷も発行日の違うものが存在しているようで、実際に何回増刷されたかは定かではない)。
単行本は若木書房以後、大都社(単独での刊行と『キューティーハニーF』との合本と複数回の刊行)、マンガショップなどから刊行されている。

永井 豪原作の一連のアニメ作品(『マジンガーZ』『デビルマン』『キューティーハニー』)では、アニメ作品と原作コミックで世界観や設定、登場キャラクターが微妙に違っていたのはご承知のことだろうが、個人的にも当時から原作とアニメは別作品的な認識があった。
その意味で、原作コミックではなく、アニメ作品の設定の元に描かれた石川 賢版のコミカライズも「もうひとつの『キューティーハニー』」という捉え方で手にした記憶がある。ことに、書店の書棚にならんだ背表紙に「キューティー」ではなく、「キューティ」と表示されているところも、永井 豪原作コミックとは別物という印象を強くしていたような気がする。
ダイナミック・プロ系コミカライズ作品の特徴とも言える、当初はアニメ作品のエピソードを取り上げつつ、オリジナル作品のような展開になるというのは、案外この石川 賢版『キューティーハニー』から始まったのかもしれない。もともとの原作者が身近にいるということも、コミカライズ担当者の自由度を上げた理由のひとつなのだろう。アニメ版に登場するパンサークロー側のキャラクターデザインにも石川は参加していたと思うので、その点からも石川オリジナル色が出しやすかったのかもしれない。

正直な話、石川 賢は女性キャラがあまりうまくない。主人公である如月ハニーの魅力が『キューティーハニー』の魅力の殆どといっても過言ではないこの作品は、石川にとってけっこうハードルの高いものではなかったかという気がしないでもない。その意味では石川作品のターニングポイントとなったのではないだろうか。
結果的に、アニメの設定の上に描かれてはいたが、石川オリジナルの「キューティーハニー」というイメージとなった本作。個人的には永井 豪原作版、アニメ版、石川版と3つの『キューティーハニー』があるような認識となっている。それだけ石川作品としての色が出ているインパクトのある作品に仕上がっていたということだろう。
まだ読んだことがないという方は、ぜひご一読を。

初出:秋田書店「冒険王」1973年11月号〜1974年4月号、「別冊冒険王」1973年11月号〜1974年2月号

書 名/キューティーハニー
著者名/石川 賢
出版元/若木書房
判 型/新書判
定 価/
シリーズ名/コミックメイト
初版発行日/昭和49年8月20日
収録作品/ハニーちゃん登場の巻、ツインパンサーの巻、イーグルパンサーの巻、幻術使いの巻、妖剣ものほし竿の巻、アトミックパンサーの巻、ジェットパンサーの巻、魔女ジルの巻

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/