中国 世界的な銘柄テーマは、 中国株でも通用する!
振るわない経済指標。政府が目標とする7・5%成長に届くか?


景気の底打ち観測により、昨年11月末から今年2月にかけて約20%上昇と日本株並みの株価の戻りを演出した中国株市場。ただ、2月下旬からは、昨年末の水準を挟んだもみ合いが続き、年初来安値をつける場面も増えています。

さえない経済指標が相次ぎ、なんだかんだで中国の景気減速への「警戒モード」が解けずにいる格好です。

もっとも、このまま中国景気の減速傾向が続くと、政府が目標として掲げている7・5%前後のGDP(国内総生産)成長率の達成が危うくなってしまいます。

さらに、景気低迷によって不良債権が増加すると、地方政府の債務やシャドーバンキング(通常の銀行システム外の金融仲介業務)の焦げつきなどの問題が顕在化し、経済や社会が混乱する恐れも出てきます。

このため、いずれかのタイミングで中国当局から対策が出てくるものと思われますが、その当局は目先の景気浮揚よりも中長期の構造改革を優先する姿勢を見せており、多くは期待しにくい状況です。

3Dプリンターは、すでに中国の軍用機に使われている!?

そんな中、好パフォーマンスを見せた一部の中国株銘柄があります。

共通するテーマは、最近、日本国内でも新聞やニュースなどで話題に上ることの多い「3Dプリンター」関連です。

その一例として、上海市場に上場している中航重機(600765)と、深セン市場に上場している瀋陽新松機器人自動化(300024)を取り上げました。

左下のグラフは、昨年末を100とした両銘柄の株価の推移と上海総合指数を比較したものですが、相場全体が年初来から横ばいで低迷する中で、この2銘柄が5割高、2倍高と好調だったことがひと目でわかります。

そもそも、3Dプリンターは、米国のオバマ大統領が今年初めに行なった一般教書演説で、「この分野を活性化させる」と述べてから一気に注目度が高まった分野です。

しかし、実は中国においても比較的早い段階から産・学・官が連携して、3Dプリンターの研究や開発に力を入れていたのです。

たとえば、中国空母の艦載機である「殲せん15(J−15)」の製作過程には、3Dプリンター技術が使われたともいわれています。

現段階の中国の技術水準がどれくらいなのかは未知数ですが、少なくとも?かなり本気〞であることはうかがい知れます。

日本ではまだまだ出遅れ感が強い3Dプリンター関連ですが、しばらくはグローバルな投資テーマとして注目されそう中国の弱さにばかり、気をとられるのは損!



土信田雅之(Doshida Masayuki)
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト

新光証券などを経て、2011年10 月より現職。ネット証券随一の中国マニアでテクニカルアナリスト。歴史も大好きで、お城巡りと古地図収集が趣味。




この記事は「WEBネットマネー2013年9月号」に掲載されたものです。