伝統ある女子寄宿学校を舞台に、ミステリアスな事態が続発!/[c] MD (Quebec) Productions Inc./Samson Films Limited, 2011

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思春期という時期は、よく青春映画などで描かれるような爽やかなものばかりでは決してない。実際には悩みを抱えて鬱々としたり、激しくあたりちらしたりと、負の感情が渦巻いているのだ。それは全寮制の学校という閉鎖的な空間で暮らす十代の少女たちも例外ではなく、彼女たちの闇の部分を描き出した衝撃作が登場した。8月3日(土)より公開される映画『モスダイアリー』がそれだ。

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本作は、レイチェル・クラインが02年に発表したカルト的人気を誇る小説を、『アメリカン・サイコ』(00)のメアリー・ハロン監督が映画化したミステリー。伝統ある女子寄宿学校を舞台に、ミステリアスな転校生の登場によって平穏な日常が崩れていく姿を描いている。

実はこの作品、“ヴァンパイア”を扱っているものの、一般的なヴァンパイア映画ではないのが面白いところ。ミステリアスな行動をとる転校生の美少女を「ヴァンパイアではないか?」と疑った少女が疑心暗鬼に陥るだけで、思春期の少女たちの危うい感情を、ヴァンパイアという存在に投影しているのだ。

ちなみに、「ドラキュラ」に影響を与えたと言われる物語「吸血鬼カーミラ」が重要なモチーフとして劇中にも登場するのだが、このカーミラは女しか襲わない女の吸血鬼で、女の子同士の恋愛感情を描く百合系の先駆ともいえる存在。恋愛にも似た女子同士のあやしげな友情を、エロティックに描くのに一役かっている。

『Dr.パルナサスの鏡』(09)に出演し、長身と豊満なバストで人々を魅了したスーパー・モデル、リリー・コールや、デイヴィッド・クローネンバーグの『危険なメソッド』(11)『コズモポリス』(12)で立て続けに起用されたサラ・ガドンなど、見目麗しい美人女優が集結。耽美的な映像の中で彼女たちが狂気にとらわれていくさまは圧巻だ。本作で、美しくも儚い、少女たちの世界を覗いてみてはいかがだろう?【トライワークス】