「レタス生産量日本一の村」として知られる長野県南佐久郡川上村。高原野菜の栽培に適した自然環境と、東京まで車で3時間という地の利を生かして都市部への農作物の供給基地としての地位を確立した。同時に、ブランドとなった川上村のレタスや白菜を作る農家の収入も上がり、人口4千759人の小さな村だが、世帯あたりの平均年収は2千500万円を超える。

また、村の嫁たちの7割が東京など都会から嫁いできていて、若者たちの定着率も高い。こうして若い人が増え続けていることと、高収入もあって今、川上村は「奇跡の村」と呼ばれている。いったいなぜ、川上村にどんどん若い人が集まるのだろうか。それには以下のような理由がある。

・環境に不慣れな奥さんを助ける「若妻会」。
・濃密な近所付き合いで助け合う。
・生活にメリハリがある。夏場は仕事に集中し冬は遊ぶ。
・教員環境の充実。教員の数が多い。24時間開館の図書館。
・観光客がいない(観光に頼らなくていい)静かな環境。
・医療の充実、24時間訪問介護体制で在宅死が4割。
・外国人労働者も受け入れる開放的な村民。

「年収だけじゃなく、川上村にはいろんな魅力があることがわかったでしょう。県の天然記念物の川上犬もいます。村には、まだまだ独身の20代〜40代男性がいます。お嫁さんはいつでも募集中です」

そう熱く話すのは、7期目を迎えた藤原忠彦村長(74)。藤原村長が熱くなるのには理由がある。ほとんど夏場は畑仕事に追われるため、川上村の男性が女性と知り合うチャンスも冬限定で、つまりは一般男性の半分!?

「冬場の出稼ぎならぬ“出遊び”で、スキー場で知り合ったりというケースもあるにはあります。村では、今年から村営の新婚住宅も建設しますので、若い夫婦にはますます暮らしやすくなります」(藤原村長)

さらに注目されるのが、『2世帯敷地内別居』。同じ敷地内に、若夫婦の家を別に建てる生活様式が最近、川上村では急増中とか。これも、広い敷地と高収入があってこそ実現すること。ある農家のお母さんがこっそり教えてくれた。

「大自然の中でのんびり育っているせいか、川上の男性はやさしくて働き者ダヨ」

2千500万円がきっかけでもOK。川上村役場に問い合わせると、村の独身男性との出会いの場を紹介してくれる。