ミキモト本店で切り絵作家の展覧会 日本初公開作品を展示

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 銀座のミキモト本店で8月1日、「剪紙(せんし)」と呼ばれる切り紙で創作活動を行なってきた庫淑蘭(クー・シューラン)にスポットを当てた「花珠爛漫『中国・庫淑蘭の切り紙宇宙』」展がスタートした。切り紙の上にさらに切り紙を重ねるという独特な技法で四季折々の生活や子供、動物といった身近なモチーフから、親和性や宇宙性を秘めた女神像、生命樹などオリジナルの世界観をダイナミックな構図で表現した日本初公開となる約30点の作品を展示。会期は9月17日まで。

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 1920年に西安から約150キロ北上した中国陜西省旬邑県王村で生まれた庫淑蘭は、15歳の時から刺繍や剪紙を花嫁修業として母親に習い始めた。17歳で農家に嫁ぎ6男1女の母になったが、一族内のトラブルから生まれた村に戻り、仕事の合間に再び剪紙を楽しむようになったという。庫淑蘭は生命の歓びを表しているという斬新で色鮮やかな剪紙の数々を発表し、中国国内で様々な賞を受賞。ユネスコからは中国民間美術大使の称号を授与され、アメリカでも個展が開催されるなど中国を代表する作家として成長したが、2004年に生涯を閉じている。

 「花珠爛漫『中国・庫淑蘭の切り紙宇宙』」展は、幼い頃の楽しい思い出や農村生活、男女の恋愛をテーマにした「風光百花」から、自身の大怪我を経て創造力が一段と旺盛になったという時期の作品を中心とする「剪花娘子」、人類にとって根源的なモチーフの「生命樹」、中国の民間芸術でよく描かれる主題「五毒」まで大きく4つのキーワードで構されており、入場は無料。前日の内覧会には、庫淑蘭の才能を見出して制作を応援してきたアートディレクター黄永松(ホァン・ヨンソン)やグラフィックデザイナーの杉浦康平が出席。黄永松は「庫淑蘭が1980年代から90年代にかけて手がけた剪紙作品を展示します。日本の皆さんに庫淑蘭の作品を紹介することができて幸せです」と展覧会の初開催を祝い、作家との出会いや思い出を貴重な資料とともに振り返った。

■花珠爛漫「中国・庫淑蘭(クー・シューラン)の切り紙宇宙」展
 会期:2013年8月1日(木)〜9月17日(火)
 時間:11:00〜19:00 (9月2日(月)のみ11:00〜16:00)
 ※8月28日(水)は休館。
 会場:ミキモト本店・6F ミキモトホール
 入場料:無料
 http://www.mikimoto.com/