希代のヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマーを直撃!

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アクションアドベンチャー大作『ローン・レンジャー』がいよいよ8月2日(金)より公開。ジョニー・デップが『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのスタッフと再びタッグを組んだ本作。とびきりユニークなキャラクター、スリルと迫力も満点で「これぞ王道!」とガッツポーズをしたくなるようなエンタテインメントに仕上がった。そこで来日した製作のジェリー・ブラッカイマーを直撃。数々のスター、ヒット作を生み出す秘訣に迫った。

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本作の舞台は、西部開拓時代のアメリカ。正義に燃える黒マスクのヒーロー“ローン・レンジャー”と、復讐に燃える戦士“トント”の2人が巨悪に立ち向かう姿が描き出される。『トップガン』(86)『アルマゲドン』(98)『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを手掛け、ヒットメーカーの名をほしいままにするブラッカイマーだが、なぜ今、西部開拓時代の映画を作ろうと思ったのだろうか。「本作はヒーローがどのように誕生したのかというスタートの物語でもあるんだ。やっぱり今、誰もがヒーロー、そして正義を求めていると思ったからね。そして何より、僕自身、小さい頃から『ローン・レンジャー』が大好きだったんだ。僕はデトロイト出身なんだけど、『ローン・レンジャー』のラジオドラマは、デトロイトで始まったんだよ。だから、このヒーローは僕にとって故郷のような存在なんだ」。

ローン・レンジャー役を演じるのは、ハリウッド期待の新星、アーミー・ハマーだ。彼を抜擢した理由を尋ねると、「まず、ハンサムで背が高いというのも、間違いなく大きなプラス要素だよね(笑)。そして彼はまだ26歳。ものすごく、やる気満々なんだ。そこが一番の魅力だと思う」と分析。これまでもトム・クルーズやウィル・スミスを発掘してきたブラッカイマーだが、「この人ならば、スクリーンを任せてみたい」と思う条件を聞くと、「スポットライトが当たったように、光って見える人」と話す。

「これは、何人も見てきたからわかることかもしれないんだけれど、オーディションなどで何人もの人を見ていると、そこだけ明かりが当たったように際立つ人がいるんだよ。パーティーや何かでも、その人が来ただけでパァッと光輝くような人がいるだろう?これは、神からの贈り物なんだろうね。顔かたちだけでなく、その人の笑顔が興味を引くこともあるし、話し方が興味を引くこともある。そういう人を見つけているんだ」。

アーミーもオーディションで選んだというが、「光が当たって見えたことと、もう一つ大事な要素があった」と続ける。「セリフをいくつか読んでもらったんだ。すると、アーミーのローン・レンジャーに対する解釈は、他の人と違ってとてもユニークなものだった。やっぱり“やる気”が重要で、『この人が演じてくれたら面白いだろうな』と思わせてくれたんだ」。

まさに、ブラッカイマーの求める条件にぴったりなのが、トント役を演じるジョニー・デップだろう。「その通りだよ。なぜ何度も彼を起用するかというと、彼はいつだって新しい、ユニークなものを映画作りに持ち込んでくれるからなんだ。ジャック・スパロウやトントを見てもわかるけれど、彼は演じる役どころを自分自身のアイディアで作り上げてくれる。ああいう扮装をして、ああいうセリフ回しで演じてほしいと、台本に書いてあるわけじゃない。それこそが、彼が他の俳優と決定的に違うところで、彼をあそこまでのスターにした理由だろうね」。

ローン・レンジャーとトントは、それぞれの信念を持って突き進むキャラクターだ。ブラッカイマーにとって、映画作りにおける信念とは?「僕はエンタテインメントを愛しているんだ。自分が『愛している』と信じているものを作り続けたい。そして誰もが日常には悩み事があると思うけれど、映画を見ている間はその日常を忘れられるような映画。映画館を出る時には、入った時よりも、笑顔になって気分が晴れやかになっているような映画を作りたいと思っているんだ。『ローン・レンジャー』は、まさにそういう映画だよ」。

「面白い人たちと、もっと面白いものを作りたい」と彼の熱意はシンプルだ。だからこそ、彼の放つ映画には子どもの頃に戻って、目を輝かせてしまうような力がある。「ジョニーとアーミーの素晴らしい化学反応が起こったよ」と笑顔を見せたブラッカイマー。その言葉通り、勇ましい「ウィリアム・テル序曲」に乗せて繰り出されるアクションの応酬は2人の息もぴったりで、胸躍ること間違いなし!是非ともスクリーンで楽しんでほしい。【取材・文/成田おり枝】