今回の大幅調整の大底は、6月13日の安値1万2415円になりそう。乱調ムードは続きそうだけど、“アベクロ相場”は上昇が急スピードだった分、買いそびれた投資家も多かった。上がった銘柄はわかっている。この押し目はリベンジ買いの好機だ!


株式市場では、事前に予想されない物色テーマが年に1つは急浮上するものだ。予期せぬテーマだけに、意外な銘柄が人気化する。

株式市場が乱高下する5月から6月にかけて、株価上昇率ランキングに突如登場してきた群栄化学工業、ローランド ディー.ジー.、MUTOHホールディングス、パルステック工業、その共通するキーワードは「3Dプリンター」。3Dプリンターとは、CADやCGの3次元コンピューターデータを取り込み、それを樹脂や金属などで立体的に形作る機械のこと。紙とインクでプリントされる2次元プリンターとは構造がまったく異なる。

3Dプリンターは製品としてはこれまでもあったが、米国の3Dシステムズ社、ストラタシス社の世界2強を中心に技術革新が進み、製品コストが低下。その結果、産業用にとどまらず個人需要も創出した。米国のオバマ大統領がここ数年、小学校の授業で3Dプリンターの使用を奨励したことも追い風だ。

日本ではパナソニックが3Dプリンターを家電製品の大量生産に活用したことが報道され、普及に弾みがつく期待が膨らむ中、経済産業省が3Dプリンターの開発に5年間で30億円の支援を行なうことを発表し、テーマ人気に火がついた。

関連銘柄は「販売」でMUTOHホールディングスのほか、JBCCホールディングス、ナブテスコ(子会社のシーメットが老舗)、キーエンス、ローランド ディー.ジー.、そして、基となる3Dデータを取り込む3Dスキャナーを製造するパルステック工業などが挙げられる。

合成樹脂など化学品の製造販売を手がける群栄化学工業は、唯一「原料関連」として物色の中軸にある。

大和証券投資戦略部が今年2月に作成した3D関連レポートでは、3Dプリンターを使って作られたギターの写真が載っていた。ローランドディー.ジー.はもともとプリンター売り上げが主力で、今後は親会社の楽器製造での活躍も。

業種関係ナシ。実力が評価される5銘柄

【群栄化学工業(東1・4229)】574円(1000株)
経済産業省が3Dプリンター開発を委託した企業12社のうち、原料を担当する民間企業は同社のみ。

【MUTOHホールディングス(東1・7999)】399円(1000株)
米国製個人向け3Dプリンターを販売。今3月期の3Dプリンター販売目標を前期比3.7倍の1100台に。

【JBCCホールディングス(東1・9889)】1195円(100株)
グループ企業で米国社製3Dプリンターを販売し、東京・渋谷などでショールーム展示も行ない、積極営業中。

【キーエンス(東1・6861)】3万2750円(100株)
3Dプリンター市場に2011年に参入。成形過程で付着する除去が難しいサポート材を水で落とす技術を開発。

【パルステック工業(東2・6894)】320円(1000株)
3Dデータを取り込む3Dスキャナーを製造。事業環境が厳しいだけに業績回復の突破口になるかも。

※株価は2013年7月8日現在。



この記事は「WEBネットマネー2013年9月号」に掲載されたものです。