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鉄道開発は街を便利にします。しかし路線の延伸など大掛かりなものの場合、長期間に及ぶ工事や、昔ながらの街並みが変わることを嫌がる地元住民の反対、鉄道会社や自治体の事情など、さまざまな理由で計画が進んでいないケースも多数あります。

2000年に旧運輸省、運輸政策審議会(現在は国土交通省、交通政策審議会)は答申「運輸政策審議会答申第18号」を発表しました。この中では再来年、2015年までに整備すべき首都圏エリアの鉄道路線が挙げられています。今年4月より直通運転が開始された東京メトロ副都心線と東急東横線相互直通乗り入れや、小田急線や西部池袋線の複々線化もこの答申内で挙げられていた案件です。

一方で答申には挙がっているものの、現在も検討中で正式に工事が決定していない案件も多くあり、そのうち大掛かりなものをご紹介します。

【埼玉高速鉄道線の浦和三園駅以北の延伸計画】

埼玉高速鉄道は現在赤羽岩淵〜浦和三園間を結んでおり、赤羽岩淵からは東京メトロ南北線、さらには東急目黒線に直通しているので飯田橋、永田町、目黒に一本で行くことができます。浦和美園からさらに路線を北に延伸させ、東武野田線の岩槻駅、さらにはJR宇都宮線蓮田駅まで連結させる計画があり、現在街づくりも含めた検討段階に入っています。

埼玉高速鉄道は運賃が高め(初乗り210円)ですが、それまで鉄道のまったくなかったエリアの路線で、かつ赤羽岩淵駅〜戸塚安行駅間は地下駅なため、駅から近い物件が他路線よりは見つけやすく、家賃も安めな穴場エリアです。

【JR蒲田駅と京急蒲田駅をつなぐ「(仮称)蒲蒲線」計画】

JR蒲田駅から、羽田空港へアクセスできる京急空港線京急蒲田駅は同じ蒲田駅の名称ですが、直線距離で600メートルとやや距離があります。特に空港に行く場合は荷物が多くなりがちですので、JR蒲田駅からは羽田空港行きのバスも出ています。この二駅間をつなぎ、空港へのアクセスを向上させようというのが「(仮称)蒲蒲線」計画です。蒲田駅は東急池上線、多摩川線の停車駅でもあるので、自由が丘や武蔵小杉周辺に住む人にとっても空港へ行きやすくなります。ただし蒲田駅〜京急蒲田駅間は蒲田エリアのメインストリートと重なるため、整備費が高額になってしまうことや、そもそも短い路線で工事費に見合う採算が取れるのかなどの問題があります。

両計画とも現時点では決定しておらず、決定したとしても完成まで長い年月のかかる大規模案件です。しかし、もし決まれば、東京スカイツリーが日々高くなっていくのを目の当たりした押上駅周辺の住民のように、街が変わり行く姿を日々見ることができる貴重な体験ができるかもしれません。

文・石徹白未亜