北京郊外にある某遊園地。ディズニーランドを思わせる西洋風のお城が目を引く【撮影/荒木尊史】

写真拡大

1974年、鹿児島県生まれ。邱永漢氏に師事し、2005年より、チャイニーズドリームを夢見て北京で製パン業を営む荒木氏。今回は、突然公表された北京郊外の某遊園地の取り壊し決定にみる、中国現政権の思惑とは……。そのウワサの真相を考えます。

 先月、ネットでニュースを眺めていたところ、北京郊外にある“有名な”某遊園地の推進計画が正式に中止になったとの記事を見つけた。

 私がはじめてあの異様な光景をみたのは2005年のことだ。北京の定番観光スポットである「八達嶺万里の長城」へ向かう高速道路の道中、民家しかない農村風景の中に、ディズニーランドを思わせる西洋風のお城が忽然と現れたからだ。

 あまりに印象的だったので、後日、知人に聞いたところ、建設中の遊園地らしいがもう何年も放置された状態だという。

 その後、友人知人が来るたびに万里の長城へは何度も同行したのだが、その都度、異様な光景が車中の話題となった。私にとってはある意味、思い出深い建物だといえる。

北京版“ディズニーランド”の取り壊しが決まった!!

 その遊園地が近日中に取り壊されるというので、いちど訪れてみることにした。

 まだ報道から1カ月ほどしか経っていないにもかかわらず、すでにディズニーランドでいうところの半円形のチケット売り場と、その後ろに続く巨大なアーケードは跡かたもなく取り壊されていた。あいかわらずこのへんの仕事が早いのが中国だ。

 しかし、この遊園地の象徴である西洋風のお城だけは、変わらずどっしりとそびえ立っていた。まわりの関連施設が取り壊れてしまった分、その異様さは以前より際立つ。

 どこまで近づけるか、車を走らせたところ、なんとそのお城の真下まで行けてしまった。日本にこのような場所があれば真っ先に若者たちの廃墟観光(心霊スポット)の餌食になってしまい、行政が立ち入り禁止の処置をとるだろう。

 中国の若者はこのような廃墟にはあまり興味がない(訪れる価値を感じない)のか、周辺に空きビンやゴミもなく、頻繁に人が訪れた形跡は見られなかった。

 あたり一面にトウモロコシ畑が広がっている。このトウモロコシが実を付け、収穫が終われば取り壊されるのか。はたまた撤去費用がかかりすぎて、手をつけられずにいるのか。いずれにしても近い将来なくなるのは確実だ。

 この遊園地の取り壊しが決まったのは、当たり前ではあるが、資金の調達に目処がつかなくなったからだ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)