昨年から、個別のサービスに特化した、ユニークなクレジットカードが増えているが、ここにきて、また新しいカードが登場した。『三菱地所グループCARD』である。その名称からわかるように、三菱地所と提携したクレカで、三菱地所が展開する商業施設やホテル、ゴルフ場などでお得に使える1枚となっている。

 三菱地所が展開する商業施設といえば、代表的なのは丸ビルや新丸ビル。加えて、オアゾ ショップ&レストラン、東京ビル TOKIA、丸の内ブリックスクエア、iiyo!!(イーヨ!!)など、東京・丸の内に集結している。しかし、実は、お台場のアクアシティお台場や、池袋のサンシャインシティ専門店街、さらに、横浜のランドマークプラザ、クイーンズタワーA ショップ&レストラン、MARK IS みなとみらいなど、丸の内地区以外にも結構あるのだ。また、佐野プレミアム・アウトレットや御殿場プレミアム・アウトレットといった、全国のプレミアム・アウトレットも三菱地所グループである。

 三菱地所グループCARDは、上記を含めた約40の対象施設で利用すると、利用金額100円ごとに2ポイント貯まる仕組み。したがって、ポイントの還元率は2%とかなり高い設定となっている。また、グループ外の施設での利用は100円ごとに1ポイントが付与され、こちらも還元率は1%と一般的なカードよりも高め。ただし、付与されるポイントは、1000ポイントごとに1000円分の三菱地所グループ共通ギフトカードとの交換となるので、ポイントの汎用性は低いと言えよう。

 カードは一般カードとゴールドカードの2種類。一般カードは、年会費1312円(税込み、初年度無料)で、年間4万5000円以上の利用で無料となる。これは月々4000円の利用でクリアできるので比較的カンタンだろう。ゴールドカードの方は、年会費が1万500円(税込み)かかり、無料となる条件はない。ただし、ゴールドカードは、対象施設で使うと100円に付き3ポイント付与され、ポイント還元率は3%となる。

■トレンドは「O to O」を意識したカード

 三菱地所グループCARDのメリットはまだある。丸の内パークインやランドマーク、MARK IS みなとみらいといった施設の駐車場の料金が、最初の1時間分無料となるのだ。これは、丸の内、横浜地区をクルマで訪れる人にとっては、見逃せないだろう。その他には、三菱一号館美術館の入館料500円割引や、有楽町スバル座の当日一般料金200円割引といったサービスもあり、中には、ザ・ペニンシュラ東京のザ・ペニンシュラ スパ「2 名様用トリートメントルーム料金(1 室1万500 円)50%割引」なんていうのも。他の追随を許さないユニークな特典が多いのだ。

 また、特筆すべきは券面のデザイン。全部で5種類あるが、券面の中央に「三菱地所グループ」と表記されたタイプがある。社員証をイメージさせるデザインで、これはクレカ・マニアの心をくすぐるのではないか。それ以外のカードも、ブラックを基調とした、かなり目立つデザインでオリジナリティは十分。

 今年は、『リクルートカードプラス』や『REX CARD』など、自社関連サービスで利用すると、ポイント還元率が上がるカードが目立っている。リクルートカードプラスは、『ホットペッパーグルメ』や『じゃらん』など、リクルートが提供するサイトで利用すれば、通常のポイントに追加のポイントが上乗せされるし、REX CARDは、カカクコムの「価格.com安心支払いサービス」で利用すると還元率が上がる、という具合だ。

 こうしたサービスは、いずれもリアルの店舗とインターネット上の店舗との「OtoO」(オンライン トゥ オフライン、またはオフライン トゥ オンライン)という「双方向的な送客サービス」を意識したものであり、現在のネットビジネスの大きなトレンドとなっている。

 一方、三菱地所グループCARDは、日本有数の不動産会社が自社グループ施設での利用に特典を提供するという、極めてオーソドックスなもの。しかし、駐車場無料や美術館入館料割引きなど、ハッキリとお得を実感できる特典が用意されている。施設を自社開発している強みが如何なく発揮されているのだ。久々にオールドエコノミーの実力を感じたクレカである、というと言い過ぎだろうか。

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。