Google Chromecast発表でテレビが受信機からディスプレイになる時代へ変化?【デジ通】


テレビのHDMI入力端子に装着する、USBメモリーのような形状のスティック型の端末(中はAndroid)が各社から発売されている。価格は5千〜1万円程度で、スティック型の端末をテレビのHDMIに接続し、Wi-Fiに接続すれば、簡易PCに早変わりしてインターネット対応になる。いわゆるスマートTVなどと呼ばれる製品だ。

このスマートTV市場にGoogleが参入する。「Chromecast」という名称でアメリカでは35ドル(約3500円)という魅力的な価格で登場した。

■各種OS対応でAndroid端末をリモコン代わりにできる
ChromecastはAndroid、iPhone、iPad、Windows、Macなどに対応している。使い方としては、例えばAndroidでYouTubeの動画を見る際、Androidデバイスの画面に表示されているChromecastにCastするアイコンをタップするとテレビ画面にその動画が再生される。

Chromeという名称でわかるように、ChromeブラウザにもCastするアイコンが表示され、ブラウザの画面をテレビ画面に表示することもできる。Android端末はChromecastのリモコンとして使うが、テレビ画面でYouTube動画を再生中に、別の動画を探すようなこともできるようだ。

■スマートTVを低価格で実現できる
GoogleはGoogle TVというテレビ自体にスマートTV機能を搭載した製品やサービスを展開していたが、大きく成功することはなかった。このような機能を持った製品が35ドル(約3500円)で販売されれば、わざわざ高価なスマートTVを買う必要もなく、スマートフォンの機能をHDMI搭載だけのテレビに接続するだけで本格的なスマートTVへと早変わりさせることがわずかな費用で簡単に実現できるわけだ。

現在の所、アメリカだけで販売されるため、対応している動画サービスは、「Netflix」、「YouTube」、「Google Play」、「Chromeブラウザ」等に限定されている。ただ開発者向けのGoogle Cast SDKが、今後配布されるので、様々なサービスがChromecastに対応してくることになるだろう。

こうしたUSBメモリー型の端末は日本でも販売されているが、自社の有料サービスを利用させるための製品が多い。Androidのアプリに対応しYouTubeやニコニコ動画などを利用できる製品もあるが、従来の1/3程度の価格で多くのデバイスに対応しているという点で、Chromecastは他の製品以上に爆発的人気を得る可能性がある。

今はテレビ番組を見ながら、スマートフォンやタブレットを使う人も多いようだが、このような製品が普及すれば、ネット動画へのアクセスがより簡単になる。テレビとネットを融合させるのがスマートTVの取り組みの1つだが、ネット動画が気軽に視聴できるようになれば、テレビ受像機は、スマートフォンやタブレットでみつけた動画の再生するだけのデバイスとなってしまう可能性もある。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

Google Chromecast

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