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このコラムは、大袈裟なネタではないけれど、知っているとちょっと自慢できる「あの街の歴史エピソード」を紹介します。第六回は、江戸川区です。

【名付け親は徳川吉宗!? 全国有数の“小松菜”の産地】

東京都内で農産物がとれるというイメージはあまりありませんが、実は都内にも農業がさかんな地域はあります。江戸川区は、古くから、ある野菜の産地として知られてきました。その野菜とは、“小松菜”。収穫量が日本一になった年もあるほど、全国でも有数の一大産地なのです。

小松菜は、もともとは外国の野菜。それが中国などを経由して日本に伝わり、鎌倉時代に江戸川区に伝わったとされています。小松菜と呼ばれるようになったのは江戸時代のこと。今では季節を問わず食べられるようになりましたが、そのころの小松菜は、このあたりではお雑煮に欠かせない冬菜でした。

江戸川区の北西、現在の都営新宿線東大島駅周辺に、小松川という町があります。江戸時代のある冬、その小松川(当時は村)に、八代将軍徳川吉宗が鷹狩りに訪れました。その際に立ち寄った神社の神主が、地元でとれた冬菜を汁に入れて出したところ、それを吉宗が気に入り、小松川の地名から“小松菜”と命名したと言われています。

現在も小松菜は、江戸川区の特産物として親しまれており、小松菜うどん、小松菜パン、小松菜アイスクリームなど、さまざまな小松菜商品も作られています。その栄養価の高さから、区内にある葛西臨海水族園では、魚の餌としても採用されているそう。

【小松菜のほか、“花”や“金魚”も名物】

小松菜をはじめとする野菜のほか、江戸川区は、花の産地としても知られています。花が特産というだけでなく、街中に四季折々のさまざまな花が楽しめるスポットが。また、明治時代から続く金魚の養殖もさかんで、毎年夏には金魚まつりが開かれます。

さらに区内には、北原白秋の住まいがあったことから建てられた歌碑など、文化財・史跡も多く見られます。東京都内でありながら、歴史と豊かな自然に恵まれた、庶民的で親しみやすいエリアと言えるでしょう。

参考/江戸川区HP:

文●高倉 都(エフスタイル)